研究概要 |
申請者はパイナップル Ananas comosas の茎由来ブロメラインインヒビターが二本鎖構造というユニークなトポロジーをとるため、BIの遺伝子構造を明らかにするためにパイナップルのゲノムライブラリーを作成し、目的とする遺伝子のクローニングを行う研究も共同研究者と進めている。現在コロニーハイブリダイゼーションによって幾つかのポジティブクローンがとれ、その中からBI構造遺伝子の3'末端を補足し決定できた。 申請者はこれと平行してシステインプロテアーゼ阻害活性をスクリーニングしたが、パパイヤCarica papayaそしてイチジクFicus carica乳液にはそのような活性は存在しなかった。しかしイチジクの果実組織(アメリカカリフォルニア産)にパパイン阻害活性を見いだした。本研究ではそれをホモジナイズして20,000rpmで超遠心にかけた。上澄みを凍結乾燥した後、十分に透析にかけゲル濾過Sephadex G-50(2.5cm×95cm)にかけた。これを何度か繰り返し、阻害活性をその他より分離した。これをイオン交換DEAEーSephadexカラムにかけ、pH勾配をかけシステインプロテアーゼ阻害活性を単離精製した。このサンプルはSDS-PAGEでは染色されなかったがゲル濾過より分子量20kDa位と推察される。またシステインプロテアーゼ パパインは阻害するが、セリンプロテアーゼ トリプシンは阻害しない。しかし同じキモトリプシンは阻害するという非常に興味深い特性を示した。
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