アネキシンはカルシウムイオン依存的にリン脂質に結合するタンパク質で、分泌および膜貫通タンパク質に存在する疎水的なシグナルペプチドがないにもかかわらず、細胞外に分泌されることが示唆されている。本研究では、(1)細胞外に分泌あるいは細胞表面に発現されたアネキシンの生理機能を解明するための基礎的研究として、アネキシンの細胞外での機能の一つとして糖結合活性(レクチン活性)に着目し、糖認識ドメインを明らかにし、(2)細胞特異的あるいは各アネキシンに選択的なソーティング機構、および細胞外への分泌・細胞表面への発現機構に関する基礎的知見を得るために、アネキシンの一次配列上にソーティングおよび分泌に関わるシグナルが存在するか否か、またそれが細胞選択的なシグナルであるかを調べる。 本年度は上記の実験を行うためにアネキシンIV、V、VIのグライコサミノグライカン(GAG)に対する結合特異性を種々のGAGをセファロースに固定化したカラムを用いたアフィニティークロマトグラフィーや、GAGをウシ血清アルブミンにカップリングして調製したネオプロテオグライカンを使った固相アッセイ法で調べ、3種類のアネキシンでは特異性が異なることが明らかになった。また、ウシアネキシンIVとVのcDNAを鋳型にPCR法により種々の断片を得、キメラcDNAを作成してタンパク発現ベクターpGEX-3Xに組み込み大腸菌で発現させ、キメラアネキシンを作成した。次年度にこれらのキメラアネキシンを使って糖特異性の違いを調べる予定である。
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