研究課題
CprBは、Streptomyces中での情報伝達に関よするDNA結合蛋白質で、2次代謝物の生産や、形態分化に重要な働きをしている。本研究では、立体構造が未知である本蛋白質の立体構造解明を目指し、X線結晶構造解析を行った。1. 精製及び結晶化CprBの発現はT7プロモータを使用した大腸菌の系で行った。精製は、3段階のクロマト操作により行った。結晶化は通常の蒸気拡散法で行い、約0.2mmほどの結晶を得ることができた。本結晶は、約2.5Aまでの回折像を与える。回折パターンの解析より、本結晶の空間群はP2_12_12_1であることが明らかになった。幾つかの回折データを解析した結果、良く似た格子定数をもつ結晶が多く存在することを見出した。このことが、本解析を非常に困難なものとした。2. 新しいデータ測定法の開発本結晶は、通常行われているように結晶をキャピラリーに封入してデータを測定することが不可能であったため、極低温下(100K)での測定を行った。また、格子定数の少しずつ違う結晶が多く存在するため、一つの結晶で、native及びderivativeのデータを収集する方法を開発し、水銀の誘導体を得ることに成功した。現在、この水銀の位置を差のパターソン図より決定し、初期位相が得られている。立体構造解析を完成させるには、あと、2-3個の重原子同型置換体を見出す必要があるが、既に初期位相が得られているため、以降の実験は比較的容易に行えると考えられる。
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