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1998 年度 実績報告書

ピルビン酸キナーゼのアロステリック調節機構の解明とその生理的意義

研究課題

研究課題/領域番号 09780569
研究機関大阪大学

研究代表者

鄭 文王 (池田 義孝)  大阪大学, 医学部, 助手 (60252657)

キーワードピルビン酸キナーゼ / アロステリック効果 / アイソザイム / 解糖系
研究概要

ピルビン酸キナーゼ(PK)は解糖系の調節酵素として重要な働きをしており、ホスホエノールピルビン酸からリン酸をADPに転移し、ATPを生成する反応を触媒するアロステリツク酵素である。噛乳類ではL,R,M1,M2の4つのアイソザイムが知られており、これらのうちM1アイソザイムだけは通常の条件では非アロステリツクであり、他のアイソザイムに見られるようなアロステリックな調節を受けない。非アロステリックなM1および典型的なアロステリック酵素であるM2は同一の遺伝子から転写され、転写産物の相互排他的な選択的スプライシングによって生合成される。このためこれら二つのアイソザイムでは選択的スプライシングをうける一つのエクソンによってコードされる約50アミノ酸残基の領域のみ(全体の10%にあたる)異なっており、これらのアイソザイムにおける酵素学的性質の違いはこの領域の構造の違いに起因すると考えられる。本研究ではこれら二つのアイソザイムの構造違いのうちどのアミノ酸残基が速度論的な性質を決定するのかを明らかにするとともに、PKがどのようにコンフォメーションを活性型/不活性型に相互転移させるのかを解析した。その結果、M1アイソザイムのサブユニット接触面に存在するAla-398がこのアイソザイムを活性型に留める要因の一つであることを明らかにした。さらに、このアイソザイムが、他のPKアイソザイムのアロステリックエフェクターであるフルクトースl,6二リン酸(FBP)に非感受性であることの構造的要因を突き止め、これを改変することにより、FBPよって活性化されるM1の変異酵素をタンパク質工学的に作製し、酵素学的な性質を明らかにした。また、M2アイソザイムの解析からは同様にサブユニット接触面にあるCys残基の解離状態に応じた疎水性度の変化により、活性型/不活性型コンフォメーションの平衡が制御されることを見い出した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Ikeda,Y.and Noguchi,T.: "Allosteric regulation of pyruvate kinase M_2 isozyme involves a cysteine residue in the intersubunit contact." J.Biol.Chem.273. 12227-12233 (1998)

  • [文献書誌] Ikeda,Y.et al.: "Conversion of non-allosteric pyruvate kinase isozyme into an allosteric enzyme by a single amino acid substitution." J.Biol.Chem.272. 20495-20501 (1997)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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