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1997 年度 実績報告書

タンパク質結晶学による二原子酸素添加酵素の分子機構に関する構造化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09780605
研究機関京都大学

研究代表者

喜田 昭子  京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70273430)

キーワード二原子酸素添加酵素 / カテコール2,3-酸化酵素 / メタピロカテカ-ゼ / X線結晶構造解析 / 結晶化
研究概要

本研究は,エキストラジオール型の二原子酸素添加酵素であるPseudomonas putida由来の4量体酵素メタピロカテカ-ゼの立体構造をX線結晶構造解析により明らかにし,この物質代謝に深く関わる重要な酸化酵素の反応機構を明らかにするものである.すでにこの結晶の初期的電子密度図を得ていたが,溶媒領域平滑化法と電子密度の平均化を行うことにより電子密度図の改良に成功し,アミノ酸をトレースするのに十分な質の電子密度図を得た.また,新たに反射強度データをシンクロトロン放射光を用いて収集し,既存のデータとマージすることにより,使用する反射の完全性と質を向上させた.その結果,全てのアミノ酸残基の場所を特定し,分子モデルの構築に成功した.現在分子構造の精密化の途中であるが,10〜2.8Å分解能の反射に対する現時点での分子モデルの確からしさを表す結晶学的R値は0.25である.
メタピロカテカ-ゼのモノマー分子はビフェニル誘導体を基質とする類似のエキストラジオール型8量体酵素BphCのモノマー分子とよく似た全体構造をしているが,ひじょうに大きなループが分子から突出して存在すること,C末端部分に2つのヘリックスを持つことなど,BphCにはない特徴をもっている.また,4量体メタピロカテカ-ゼは分子内に非結晶学的な222対称をもち,BphCの422対称とは全く違う会合状態をとっていることがわかった.結晶内の分子のパッキングをみるとa^*,b^*方向の分子間接触が非常に少ないことがわかったが,このことはこの結晶がa^*,b^*方向に成長しにくいことと一致している.活性中心である2価鉄の周りには2つのヒスチジン残基と1つのグルタミン酸残基が配位しているが,それに加えて大きな電子密度が存在していた.今後,分子モデルの精密化を進めるとともに,基質阻害剤との複合体結晶を作成して構造解析を行い,この酵素の反応機構の解明を行いたい.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] A.Kita et al.: "Crystallization and Preliminary X-ray diffraction Studies of Expressed Pseudomonas putida Catechol 2,3-dioxygenase" J.Biochemistry. 122. 201-204 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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