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1998 年度 実績報告書

酵素センサータンパク質FixLのヘム・キナーゼ間情報伝達機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 09780617
研究機関理化学研究所

研究代表者

田村 浩二  理化学研究所, 生体物理化学研究室, 研究員 (30271547)

キーワード窒素固定 / two-component system / 酵素センサー / 転写因子 / NMR / 分子認識
研究概要

FixL/Jは根粒菌に含まれるタンパク質で、窒素固定反応の制御に関与している。窒素固定反応は低酸素濃度の時のみ起こる。これは酸素センサータンパク質FixLが酸素濃度の減少を感知するとレギュレータータンパク質FixJがリン酸化され、窒素固定関連遺伝子fixK、nifAのプロモーター部分に結合するためである。このFixL/Jは、"two-component system"と呼ばれる細胞内情報伝達系の典型的な例である。酸素センサータンパク質FixLのヘム・キナーゼ間情報伝達は、最終的にFixJとDNAとの正確な結合という形で具現化される。本年度はそのメカニズムに迫るべく研究を行った。
FixJのC末端側(FixJC)はDNA結合ドメインを構成しており、その立体構造をNMRを用いて解明した。この構造をもとに、DNA存在下でのNMR測定、蛍光偏光度測定などを行い、FixJのDNA結合に寄与するアミノ酸残基を特定し、結合メカニズムを明らかにすべく研究を進めた。DNA存在下、非存在下で^<15>NラベルされたFixJCの2次元^1H-^<15>NHSQCスペクトル測定を行い、アミドプロトンのクロスピークがシフトしたアミノ酸残基の同定を試みた結果、Ser44のシグナルに明らかな変化が認められた。
次に蛍光物質(FITC)ラベルされたDNAとFixJの変異体を用いて蛍光偏光度測定を行った。Ser44の変異体は蛍光偏光度測定ではDNAとの結合に対する影響が見られなかったので、これが位置している4番目のαヘリックス(α4)上に存在する電荷を持つアミノ酸残基(Arg、Glu)に着目して変異体を調製した。その結果、DNAとの結合に関与しているという結果が得られた。Ser44は、DNA結合に関与するArg46と水素結合しているため、構造変化の際に影響を受け、NMR測定におけるクロスピークの変化をもたらしたと結論した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Nakamura, H., Saito, K., Ito, E., Tamura, K., Tsuchiya, T., Nishigaki, K., Shiro, Y.and Iizuka, T.: "Identification of the hydrophobic amino acid residues required for heme assembly in the rhyzobial oxygen sensor protein FixL." Biochem.Biophys.Res.Commun.247. 427-431 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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