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1997 年度 実績報告書

酸素発生活性を保持した光化学II複合体の結晶化とX線構造解析

研究課題

研究課題/領域番号 09780618
研究機関理化学研究所

研究代表者

青山 浩  理化学研究所, 光合成科学研究室, 研究員 (60291910)

キーワード光化学系II複合体 / X線結晶構造解析 / 構造生物学
研究概要

光化学系II複合体は複合体は光エネルギーを利用し、水分解、酸素発生という重要な反応を触媒している。この複合体の立体構造をX線結晶構造解析により明らかにするため結晶化を行った。
イネの葉より精製した光化学系II標品を、界面活性剤にドデシルマルトシド(DM)とn-ヘプチルチオグルコシド(HTG)、沈殿剤にPEG4000を用いたハンギングドロップ蒸気拡散法により結晶化を行った。温度は18℃から4℃で行ったが、温度を下げると大きな結晶が得られた。4℃で1ヶ月静置したもので最大0.5mm*0.5mm*0.2mmの六角板状結晶と3*0.1*0.1mmの針状結晶が得られた。X線回折実験を放射光施設で行ったところ、5Åまでの回折点が確認された。2種の結晶とも格子定数はa=b=95Å,c=1150Åであり、結晶の外形のみ異なることがわかった。しかしこの結晶は、c軸に垂直な方向に繊維回折パターンがあり、また不規則ならせん構造をもっており、構造解析をすすめるには非常に困難であった。
そこでさらに他の結晶化条件を検討した。まず結晶化における界面活性剤の種類を変えてみたところ、デシルマルトシド(DCM)や、Deoxy Biochap,CYMAL3,Zwittergent 3-12を用いても結晶が得られることがわかった。このうちDCMにより得られた結晶は0.2*0.2*0.05mmの六角板状のものと針状のものがあり、DMにより得られた結晶とよく似ている。これらの結晶の性質をX線回折実験により検討中である。
またDMを用いて得られた結晶のSDS-PAGEを行ったところ、精製標品でみられた多数のサブユニットがみられず、プロテアーゼにより分解されていた。5mM EDTA、2mM N-エチルマレイミド、3%ベンズアミジンを加えると4℃で一ヶ月は安定であったので、これらプロテアーゼインヒビターを加えた結晶化条件の検索も行っている。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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