研究概要 |
メダカ連鎖地図の作製と発現遺伝子のマッピングを目的として、DDBJ/EMBL/GenBank DNAデータベースに登録されているメダカcDNA配列や新たに我々が単離したcDNA配列を元にプライマーを作成し、北日本集団由来の近交系HNIと南日本集団由来の近交系Hd-rR,AA2との間でRFLP多型を探索した。見いだした多型をもちいて当該cDNA遺伝子座のマッピングをおこなったところ、現在までに28のcDNA遺伝子座をマッピングすることができた。見いだされた連鎖群を以下に記す。LMP2--LMP7--Tp53--Trp1(連鎖群9)、Bf/C2--Hsc70(連鎖群20)、Mhc classllb-2--act-m(ND),Opsin(blue)--Opsin(red)--Opsin(green)(ND)。またより多くの発現遺伝子をマッピングするために、HNI系統の雄成魚からファージcDNAライブラリーを作成した。またより簡便にDNA配列を決定する系の確立をめざして、PCRと蛍光ダイレクトシークエンスを組み合わせた塩基配列決定法を試みた。ランダムにファージクローンをピックアップして、インサート部分をPCRにより増幅した。そのPCR産物を鋳型として、PCR増幅用のプライマーをそのままシークエンスプライマーとして用い、蛍光シークエンサーによるダイレクトシークエンス法をおこない、塩基配列を決定することができた。これによりファージDNAやプラスミドDNAを調整することなく塩基配列を知ることができるようになった。またゲノムマーカーを増やす手段として500bpほどのインサートを含むゲノムDNAライブラリーも作成した。このライブラリーからCAリピートを含む配列を単離し、そのシークエンスを解析している。
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