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1997 年度 実績報告書

ショウジョウバエNotchシグナルの選択的伝達の可能性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 09780670
研究機関理化学研究所

研究代表者

村田 武英  理化学研究所, ジーンバンク室, 研究員 (50281621)

キーワードショウジョウバエ / 個体発生 / 細胞間シグナル伝達 / 遺伝学的解析 / 遺伝子クローニング
研究概要

ショウジョウバエの翅縁形成に関わるhiiragi遺伝は、その変異体の解析からNotchシグナルに関わることが示唆されていたが、Notchシグナルのどの位置で機能しているかは不明であった。今回、Notchの恒常活性型蛋白質を発現できるトランスジェニックフライを用いてNotchシグナルにおけるhiiragiの機能的位置を解析した。
三齢幼虫期に活性型Notchを翅原基で異所的に発現させると、その領域に沿ってwingless,cut,vestigialが誘導され、結果的に翅原基のoutgrowthが観察される。活性型Notchをdppのパターンで発現させたところ、余分な翅縁の出現を伴う翅の変形が観察された。一方、同様のNotchの強精発現をhiiragi変異体内で行ったところ、翅の変形や余分な翅縁の形成が抑制された。また、このNotchの異所的発現によって脚にも変形が起こされるが、hiiragi変異の導入によってこの表現型も抑制された。一方、hiiragi変異体の特徴である翅縁の欠失は、この活性型Notchの発現によっては回復されなかった。これらの結果から、hiiragiはNotchシグナルにおいてNotchの下流またはNotchと協議して機能していることが考えられる。現在、Notchの二つのリガンド(DeltaおよびSerrate)を強制発現させた場合にも同様のことが起こるかを検討するために、トランスジェッニックフライにhiiragi変異を導入中である。
hiiragi突然変異を持つショウジョウバエのゲノム解析の結果、その変異はゲノム中約10kbの中にある独立の二つの遺伝子のどちらか、あるいは両方が原因遺伝子であることを示唆するデータを得た。そこで、これらのcDNAをクローン化し、それらの遺伝子を導入したショウジョウバエを作成し、hiiragi表現型の救済を試みている。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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