• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

新規カドヘリン,PB-カドヘリンの生体機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 09780682
研究機関大阪大学

研究代表者

小清水 右一  大阪大学, 医学部, 助手 (50281126)

キーワードPB-カドヘリン / カドヘリン / 接着分子 / 神経発生 / 肢芽形成 / 中脳-後脳境界領域 / ZPA領域 / トランスジェニックマウス
研究概要

1.マウスPB-カドヘリンのcDNAクローニングに成功し,その胎児期における発現様式の検討を行なった.Northern blotではPB-カドヘリンは胎生9日齢ごろよりその発現が認められ,胎生後期にかけてその発現量の上昇がみられた.より詳細な発現部位を明らかにするためin situ hybridizationを行なったところ,きわめて特異的なPB-カドヘリンの発現様式が確認できた.すなわち、PB-カドヘリンは胎生10日齢では神経管と肢芽にのみシグナルが観察できる.神経管における発現は腹側に限局して認められ,また将来小脳形成のオ-ガナイザー領域として機能する中脳-後脳境界領域(いわゆる峡脳)に特に強い発現が認められた.一方,肢芽における発現はその後端,いわゆるZPA (zone of polalizing activity)領域に限局しており,その後,指骨軟骨凝集塊にその発現部位が変化する.PB-カドヘリンのこの様な発現様式は各種組織・器官の形成に関与する形態形成関連遺伝子,特にShhやFGFファミリー,Wntファミリーの各種因子の発現とよく似ており,PB-カドヘリンの発現がこれらの因子により制御されている可能性を推測させるものである.
2.マウスPB-カドヘリン遺伝子のゲノムクローニングを行った.現在,数種のクローンが得られており,その構造決定および上流域の解析を進行している.
3.dominant-negative型PB-カドヘリン・トランスジェニックマウスの作製を予定しており,その発現ベクターの構築を行なった.予備実験として培養細胞にこの発現ベクターを導入し,その効果を検討したところdominant-negative型PB-カドヘリンを発現させた細胞ではその接着能は著しく阻害され,PB-カドヘリンが実際に機能的な接着分子として働くことが確認できた.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] H. Ohmachi et al.: "Hepatocyte Growth Factor (HGF) Acts as a Mesenchyme-derived Morphogenic Factor during Fetal Lung Development." Development. (印刷中).

  • [文献書誌] U. Koshimizu et al.: "cDNA cloning, genomic organization, and chromosomal localization of the mouse LIM motif-containing kinase gene, Limk2." Biochem. Biophys. Res. Commun.241. 243-250 (1997)

  • [文献書誌] T. Takahashi et al.: "The Xenopus LIM Motif-containing Protein Kinase, Xlimk1, Is Exressed in the Developing Head Structure of the Embryo." Dev. Dyn.209 (1). 196-205 (1997)

  • [文献書誌] M. Watanabe et al.: "Gene Transfection of Mouse Primordial Germ Cells in vitro and Analysis of Their Survival and Growth Control" Exp. Cell Res.230 (1). 76-83 (1997)

  • [文献書誌] 小清水右一, 中村敏一: "「細胞増殖因子研究の最前線'97-'98」" 羊土社(宮園浩平/渋谷正史/上野直人;編), 196 (1997)

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi