スプライスアクセプター+lox71配列+IRES+β-geo+loxP配列+pUCという構築のトラップベクター(pU-Hachi)を作製し、それをES細胞に導入、現在までに45個のES細胞クローンを単離した。それぞれのクローンからgenomicDNAを抽出し、サザンブロットでトラップベクターのintegration patternを調べ、単一コピーのintegrationあるいはhead-to-tail型の複数コピーintegrationのもの32クローンを選択した。さらに、未分化状態及び胚様体へ分化させる時のβ-geo遺伝子の発現の変化を調べ、発現パターンにより分類を行った。約4分の1のクローンは分化後に発現の上昇を示し、分化に関わる遺伝子がトラップされていると期待される。現在、選択したクローンを用いて順次キメラマウスを作製している。今までに、7つのES細胞クローンでキメマウスを作製、そのうち4ラインから掛け合わせにより、そのクローン由来のマウスを得、胎児期でのβ-geo遺伝子の発現パターンを解析している。また、いくつかのクローンについては、Creによるtransient expressionでlox配列の間のβ-geoを脱落させ、残ったpUC部分を用いて、プラスミドレスキュー法によるトラップベクター挿入部位周辺のgenoMicDNAの回収にも成功した。pUC部分がベクター導入時に欠けてしまったクローンについては、lox71配列部位へ新たなプラスミドベクターの導入し、プラスミドレスキューを行った。現在、回収したgenomicDNAの解析を進めている。
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