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1997 年度 実績報告書

小脳顆粒細胞のアポトーシスにおけるICEファミリープロテアーゼの関与と活性化機構

研究課題

研究課題/領域番号 09780732
研究機関藤田保健衛生大学

研究代表者

田中 正彦  藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助手 (60267953)

キーワードICE(カスパーゼ-1) / CPP32(カスパーゼ-3) / IGF-I / insulin / アポトーシス / 小脳顆粒細胞 / 切片培養系 / ラット
研究概要

ラット小脳の切片培養系を用いて、顆粒細胞の発生段階特異的なアポトーシスへのinterleukin-1β converting enzyme(ICE)ファミリープロテアーゼ(カスパーゼ)の関与とその活性制御機構の解明を進めている。我々が確立したこの系では、倍地中にinsulinやIGF-Iを添加しない場合に外顆粒層の顆粒細胞がアポトーシスを起こす。本年度は本研究の前半として、このアポトーシスにおけるICE(カスパーゼ-1)様プロテアーゼとCPP32(カスパーゼ-3)様プロテアーゼの関与及び発現・活性化を比較検討し、以下のことを明らかにした。1.このアポトーシスは、ICE様プロテアーゼ阻害剤により強く、CPP32様プロテアーゼ阻害剤により弱く抑制された。このアポトーシスにICE様プロテアーゼが関与していることが示された。CPP32様プロテアーゼに関しては、阻害剤(Ac-DEVD-CHO)の基質特異性が十分に高くないことが明らかになっており、更なる検討を要する。2.RT-PCR法によってICE及びCPP32の発現量をアポトーシス条件と生存条件とで比較すると、両者とも条件による発現量の差は認められなかった。3.蛍光原性基質を用いてプロテアーゼ活性を測定することによりICE様及びCPP32様プロテアーゼの活性化をアポトーシス条件と生存条件とで比較すると、両者ともアポトーシス条件でより強いプロテアーゼ活性が認められた。但し、ここでもCPP32様プロテアーゼ基質(Ac-DEVD-AFC)の特異性に問題があった。以上のように、このアポトーシスにはICE様プロテアーゼが関与しており、その機構としてはICEの発現量ではなく活性化の程度が制御されている可能性が示唆された。一方、CPP32様プロテアーゼの関与や活性化に関しては、阻害剤及び基質の特異性に問題があり、今後の課題として残った。また、培養組織全体の解析にとどまらず、アポトーシスを起こしている個々の細胞でのプロテアーゼの発現や活性化を解析することが今後重要になると考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Masahiko Tanaka: "Invalvement of the interleukin-lβ converting enzyme family in apoptosis of external granular layer neurons of rat cerebellem." Neurochem.Res.22・7. 875 (1997)

  • [文献書誌] Masahiko Tanaka: "Immunohistochemical analysis of developmental stage of external granular layer neurons which undergo apoptosis in postnatal rat cerebellum." Neurosci.Lett.242・2. 85-88 (1998)

  • [文献書誌] Masahiko Tanaka: "Insulin-like growth factor-I analogue prevents apoptosis mediated through an interleukin-lβ converting enzyme(caspase-1)-like protease of cerebellar external granular loyer neuron" Neuroscience. (in press). (1998)

  • [文献書誌] Masahiko Tanaka: "IGF-I prevents apoptosis mediated through caspase of rat cerebellar external granular layer neurons." Neurochem.Res.(in press). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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