1. 核内転写因子AP-1はc-Fos及びc-Junタンパク質により構成されている。 それらの遺伝子であるc-fos/c-junの転写調節の仕組みを明らかにする目的で、細胞外水素イオン(H^+)の変化に対するc-fos/c-jun遺伝子の発現変化を神経成長因子の添加で神経細胞に分化するPC12細胞で鯛べた。細胞外液のpHを7.40から7.20に酸性側にシフトさせるとc-fos及びc-jun遺伝子の発現はそれぞれ178%、253%まで増加した。この発現の増加はCa^<2+>/calmodulinの阻害剤であるTrifluoperazineで有意に抑えられた。これらのことからPC12細胞においてc-fos/c-junは細胞外液のpHの酸性側シフトによりCa^<2+>/calmodulinを介して発現が高まることが示された。
|