研究概要 |
本研究は、GnRHサージジェネレーターの老化と,胎児型GADの関係を明らかにすることを目的としている。平成9年度は,以下の2点を明らかにした。 1.エストロジェンによる胎児型GADmRNAの調節 まず,胎児型GADmRNAの同定を試みた。逆転写PCR法によりGAD67mRNAおよび胎児型GADmRNAに相当するcDNAを得た。直接シークエンスにより意図したものであることを確認した。これらをプローブとしてノーザンブロットにより各mRNAの検出を試みた。その結果,胎児型GADmRNAは約2kbの,GAD67mRNAは約3.5kbのバンドを認め,8週齢の成熟雌性ラットの視索前野領域においても胎児型GADmRNAが発現していることが明らかとなった。また,胎児型GADmRNAの発現量は,GAD67mRNAの10-20%であることが明らかとなった。次に,卵巣摘除成熟雌性ラットにおいて,エストロジェン投与により視索前野領域のGAD67mはRNA有意に増加し,胎児型GADmRNAは減少することが明らかとなった。従って,視索前野領域においては,エストロジェンによる胎児型GADmRNA発現の調節は,GADmRNAのそれとは逆であることが示唆された。 胎児型GAD67mRNAを発現している細胞の局在 胎児型GAD,GAD67,エストロジェン受容体の各mRNAに対するプローブを用いて,in situ hybridization法を行った。その結果,各mRNAとも視索前野の脳室周囲に強いシグナルを認めた。従って,この部位のGABAニューロンはエストロジェン受容体をもち,胎児型GADを持っていることが示唆された。
|