C3H.OHに発生したJVSマウスのjvs遺伝子をC57BL/6マウスに戻し交配して得られたB6-jvsマウスを生産し、JVSマウス、jvsヘテロ、正常ホモマウスで、以下の実験を行った。動物は3〜4ヶ月齢で実験に供した。 1)熱産生、体温の測定 環境温度32℃での酸素消費および体温にはJVS群と対照群に差は見られず、基礎代謝に違いの無いことが推察された。環境温度24℃とすると、酸素消費増加量には有意な差が見られ、JVSマウスで有意に低かった。またJVSマウスへのカルニチン添加食の給餌により若干の酸素消費量増加が見られた。さらにJVSマウスでは、体温にも環境温度24℃で有意な低下が観察され、JVSマウスの熱産生能が低いことが示唆された。 2)^<51>Cr-release assayによるナチュラルキラー活性の測定 24度室温下で飼育されたJVSマウスではNatural Killer活性が対照群に比べ有意に低かった。 3)血清イムノグロブリンおよび甲状腺ホルモン(チロシンキナーゼ)測定 24度室温下で飼育されたJVSマウスの血清中の免疫グロブリン量(IgMおよびIgG)は、正常個体に比べ差は見られなかったが、血清中の甲状腺ホルモン(チロシンキナーゼ)を測定したところ、JVSマウスで有意に低い値となった。 今後はマイトジェン刺激による免疫グロブリン産生応答あるいは細胞性免疫応答について検討するとともに、差の見られた項目については、環境温度32度で飼育、馴化したマウスにおいて検討を行う。
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