1997 年度実績報告書

磁気泳動による生体物質の物生測定・運動制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号	09780793
研究機関	東京大学
研究代表者	岩坂正和東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90243922)
キーワード	磁気力 / 強磁場 / 勾配磁場 / 磁気クロマトグラフィー / 常磁性物質 / 反磁性物質 / 磁気分離 / 磁気泳動現象
研究概要	本研究は生体へ及ぼす磁場の作用機構を明らかにし、強磁場の医用工学的応用を目指して磁場の新しい利用の可能性を見いだすことを目的とした。勾配磁場下において各々の物質の磁化率の差による磁気力の差が生じ、濃度変化等が生じる現象、すなわち磁気泳動効果について様々な生体物質を対象に研究を行った。本年度の研究では、強磁場中クロマトグラフィーによる生体物質の分離・機能測定法の開発を検討するため、クロマトグラフィーにおける溶出パターンを解析した。グリシン(アミノ酸)、アルブミンやカタラーゼ(蛋白質)、デキストラン(糖類)、およびDNA(核酸)などの水中での輸送速度が勾配磁場下にて加速/減速する現象や、クロマトグラフィーカラムからの物質溶出パターンへの磁場効果を明らかにした。次に、静止液体中での磁気泳動による生体高分子の濃度変化や光学的に測定した。これまでに、常磁性物質の濃度変化の光学的測定は報告されていたが、本年度の研究により、反磁性物質同士でもヘモグロビンや糖鎖高分子のように分子量がある程度大きい場合には、高分子を取り囲む水との磁化率の差による磁気泳動を観測できた。さらに、生体中に存在する物質に非侵襲的に磁気力を作用させることによる巨大分子および生体組織の運動制御法の開発のため、循環モデル系を用いた全血の凝固溶解過程への14T磁場曝露の効果を調べた結果、磁場中で形成された血栓の重量が磁場外の場合よりも減少し、血液粘性にも磁場効果が見られた。

研究成果

(9件)

すべてその他

すべて文献書誌 (9件)

[文献書誌] M.Iwasaka, et al.: "Effeces of Gradient Magnetic Fields on Diffusion Process of Glycine in Water" IEEE Transactions on Magnetics. 30・5. 4254-4256 (1997)
[文献書誌] M.Iwasaka, et al.: "Polymerization and Dissolution of Fibrin Under Honogeneous Magnetic Field at 14T" Journal of Applied Physics. 83・11(in press). (1998)
[文献書誌] M.Iwasaka, S.Ueno: "Bioluminescence under static magnetic fields" Journal of Applied Physics. 83・11(in press). (1998)
[文献書誌] M.Iwasaka, S.Ueno: "Structure of Water Molecules Under 14 Tesla Magnetic Field" Journal of Applied Physics. 83・11(in press). (1998)
[文献書誌] M.Iwasaka, S.Ueno: "Optical Measurements of Magnetophoresis of Macromolecule" IEEE Transactions on Magnetics. 83・11(in press). (1998)
[文献書誌] 岩坂正和・上野照剛: "水・エタノール系の光学特性に及ぼす磁場効果" 日本応用磁気学会誌. 21・4-2. 405-408 (1997)
[文献書誌] 岩坂正和・上野照剛: "生体高分子・アミノ酸の磁気泳動-液体クロマトグラフィー的解析-" 日本応用磁気学会誌. 21・4-2. 741-744 (1997)
[文献書誌] S.Ichioka, M.Iwasaka: "Biological Effects of Static Magnetic Fields on the Microcirculatory Blood Flow In vivo : A Preliminaly Report" Medical & Biological Engieering & Computing. 36. 91-95 (1998)
[文献書誌] 上野照剛、岩坂正和: "生物・環境産業のための非熱プロセス事典「強磁場中での生物および物理化学的効果" サイエンスフォーラム(岩本、鈴木、重光、加藤、五十郎(編)), 534(73-80) (1997)

1997 年度 実績報告書

磁気泳動による生体物質の物生測定・運動制御に関する研究

研究代表者

岩坂 正和 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90243922)

研究成果

[文献書誌] M.Iwasaka, et al.: "Effeces of Gradient Magnetic Fields on Diffusion Process of Glycine in Water" IEEE Transactions on Magnetics. 30・5. 4254-4256 (1997)

[文献書誌] M.Iwasaka, et al.: "Polymerization and Dissolution of Fibrin Under Honogeneous Magnetic Field at 14T" Journal of Applied Physics. 83・11(in press). (1998)

[文献書誌] M.Iwasaka, S.Ueno: "Bioluminescence under static magnetic fields" Journal of Applied Physics. 83・11(in press). (1998)

[文献書誌] M.Iwasaka, S.Ueno: "Structure of Water Molecules Under 14 Tesla Magnetic Field" Journal of Applied Physics. 83・11(in press). (1998)

[文献書誌] M.Iwasaka, S.Ueno: "Optical Measurements of Magnetophoresis of Macromolecule" IEEE Transactions on Magnetics. 83・11(in press). (1998)

[文献書誌] 岩坂正和・上野照剛: "水・エタノール系の光学特性に及ぼす磁場効果" 日本応用磁気学会誌. 21・4-2. 405-408 (1997)

[文献書誌] 岩坂正和・上野照剛: "生体高分子・アミノ酸の磁気泳動-液体クロマトグラフィー的解析-" 日本応用磁気学会誌. 21・4-2. 741-744 (1997)

[文献書誌] S.Ichioka, M.Iwasaka: "Biological Effects of Static Magnetic Fields on the Microcirculatory Blood Flow In vivo : A Preliminaly Report" Medical & Biological Engieering & Computing. 36. 91-95 (1998)

[文献書誌] 上野照剛、岩坂正和: "生物・環境産業のための非熱プロセス事典「強磁場中での生物および物理化学的効果" サイエンスフォーラム(岩本、鈴木、重光、加藤、五十郎(編)), 534(73-80) (1997)

1997 年度実績報告書

岩坂正和東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90243922)