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1998 年度 実績報告書

磁気泳動による生体物質の物性測定・運動制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09780793
研究機関東京大学

研究代表者

岩坂 正和  東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (90243922)

キーワード磁気泳動 / 強磁場 / 勾配磁場 / 生体物質 / 反磁性 / ヘモグロビン / カタラーゼ / デキストラン
研究概要

本研究は生体へ及ぼす磁場の作用機構を明らかにし、強磁場の医用工学的応用を目指して磁場の新しい利用の可能性を見いだすことを目的とした。勾配磁場下において各々の物質の磁化率の差による磁気力の差が生じ、濃度変化等が生じる現象、すなわち磁気泳動効果について様々な生体物質を対象に研究を行った。
本年度の研究では、静止液体中での磁気泳動による生体高分子の濃度変化を光学的に測定した。これまでに、常磁性物質の濃度変化の光学的測定は報告されていたが、本年度の研究により、たとえ反磁性物質でも、分子量が数十万オーダの蛋白質や糖鎖高分子の場合、高分子を取り囲む水との磁化率の差による磁気泳動が生じるこが示唆された。ヘモグロビンやカタラーゼ、デキストラン等を用いた磁気泳動の光学的測定を行った。特に、ヘモグロビンの磁気泳動に関して再現実験を繰り返し行った。
一方、タンパク質コロイド溶液の光散乱が、磁気泳動実験で観測される光強度に与える影響も検討した。均一磁場中におかれた3ml溶液のレーリー散乱光測定を行った。0〜8テスラの磁場では、タンパク質コロイド溶液中の磁力線に並行な入射光によるファラデー効果の結果、入射光に垂直な方向のレーリー散乱光は顕著な偏光面回転を見せ、光検出系の偏光強度に明確な磁場影響が認められた。しかし、磁力線に垂直な入射光の場合は顕著な磁場効果が見られなかった。以上より、磁気泳動測定における光散乱磁場効果の影響は無視できると結論した。
また、フィブリン重合過程におけるフィブリン磁気泳動について過去に報告したが、フィブリン重合に伴う濁度変化が、磁気泳動時の光学的寄与分をどのくらい持つかを明らかにするため、フィブリン重合時の光吸収特性の時間変化を調べた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] M.Iwasaka & S.Ueno: "Optical Measurements of Magnetophoresis of Macro-molecule" IEEE Transactions on Magnetics. 30・4. 2129-2131 (1998)

  • [文献書誌] M.Iwasaka & S.Ueno: "Bioluminescence Under Static Magnetic Fields" Journal of Applied Physics. 83・11. 6456-6458 (1998)

  • [文献書誌] M.Iwasaka,et al.: "Polymerization and Dissolution of Fibrin Under Homegeneous MF" Journal of Applied Physics. 83・11. 6453-6455 (1998)

  • [文献書誌] M.Iwasaka & S.Ueno: "Structure of Water Molecules Under 14 Tesla..." Journal of Applied Physics. 83・11. 6459-6461 (1998)

  • [文献書誌] 竹内,岩坂,他: "循環モデルを用いた全血の凝固・線溶系" 日本応用磁気学会誌. 22・4-2. 793-796 (1998)

  • [文献書誌] 堀,岩坂,他: "強磁場下での赤血球の酸素結合解離過程について" 日本応用磁気学会誌. 22・4-2. 797-800 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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