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1998 年度 実績報告書

無痛自動採血のための鋸針振動穿刺法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09780797
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

斉藤 浩一  東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 教務職員 (00205668)

キーワード採血 / 無痛 / 穿刺 / 自動 / 蚊 / シミュレーション
研究概要

本研究では無痛自動採血を実現するための針の形状と穿刺方法および針穿刺の計測制御系を検討することを目的としている.経皮的に血管への穿刺を行う場合,要する力が小さいほうが組織の破壊が小さいために痛みの減少となり,また穿刺部位周辺組織の変形による血管の圧迫,血流遮断および血管貫通といった問題が回避できると考えられる.無痛的に吸血する蚊は一対の鋸状の細針を振動させて皮膚や血管を穿刺する.昨年度はこのような穿刺方法を解析するためのコンピュータシミュレータの基礎部分の作成を行い,シミュレーション結果から,その有用性を確認した.本年度は昨年度同時に開発した穿刺に要する力を連続的に測定する装置を用いて血管を穿刺する角度や速度による穿刺力への影響をウサギの耳介静脈を対象とした動物実験により検討した.その結果,穿刺速度は遅いほうが穿刺に要する力が減少し,穿刺角度が浅いほうが穿刺力が小さくなるという結果が得られた.しかしながらその減少率は速度や角度の比に対して小さい傾向が認められた.これは針先のナイフ状のエッジで組織を切断するような穿刺方法においては,穿刺の角度が小さいと皮膚の伸びが早く限界となって針先のナイフ状のエッジで皮膚を切り裂きやすくなるためと考えられる.すなわち生体軟組織は弾性変形を押さえることにより穿刺力が減少し,スムーズな穿刺が行えることが示唆された.また穿刺力波形から血管への穿刺状況を判断することによって針の送りの制御が可能であることを同様に動物実験により確認した.すなわち本研究では自動採血のための針の制御が穿刺力を計測することで可能であり,実際の穿刺においての有効な穿刺方法が定量的に明らかにされた.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 斉藤浩一,奥野大作,川村喜代志 戸川達男,土屋喜一,舟久保昭夫: "自動採血を目的とした力の計測による針の穿刺制御" 日本機械学会 第11回バイオエンジニアリング講演会講演論文集. (発表予定). (1999)

  • [文献書誌] 斉藤浩一: "蚊の吸血機構とマイクロマシン技術" Clinical Engineering. 10(1). 25-27 (1998)

  • [文献書誌] Daisaku Okuno,Tatsuo Togawa Hirokazu Saito,Kiichi Tsuchiya: "Development of an automatic blood sampling system : Control of the puncturing needle by measuring forces" Proceedings-20th Annual International Conference-IEEE/EMBS. 1811-1812 (1998)

  • [文献書誌] Okuno,D.,Asao,K.,Saito,H.,Togawa,T.and Tsuchiya,K.: "Measurement of forces of puncturing the vein aiming automatic blood sampling." Proceedings of Third World Congress of Biomechanics. 538 (1998)

  • [文献書誌] 斉藤浩一,奥野大作,川村喜代志 戸川達男,土屋喜一,舟久保昭夫: "穿刺角度,速度の静脈穿刺力への影響" 第14回エル・エス・ティ学会大会講演予稿集. 72 (1998)

  • [文献書誌] 奥野大作,浅尾和央,斉藤浩一,戸川達男,土屋喜一: "採血の自動化のための血管穿刺力の計測" 医用電子と生体工学. 36 suppl.494 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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