本年度は、申請者らがこれまでに行ってきた一次元の生体内構造検出の基礎実験を踏まえて、二次元の生体表皮下構造を分解能10μmで検出することを目的として研究を進めた。さらに、独自に考案した屈折率と厚さ同時測定法を生体組織に適用して、幾何学的構造解析を行うための基礎データを取得した。 (1)マイクロレンズ付光ファイバプローブの二次元走査のための集光レンズ光学系、および測定サンプル用可動台の設計・作製を行った。 (2)信号処理系の雑音の低減とデータ取込み時間の短縮を図り、1mm^2で<10秒のデータ取込み・処理を目標としてデータ取得を試みた。 (3)生体in vitro計測を行い、測定系の安定性、データ取込み時間、検出分解能を評価し、擬似生体中において奥行き方向、断面内において共に10μm以下の分解能を得た。 (4)我々が独自に考案した低コヒーレンス光干渉をベースとする屈折率と厚さ同時測定法を生体組織に適用してin vitro計測を行い、硬・軟組織の各種生体組織の屈折率データを取得した。これと生体内構造検出の基礎実験とを融合して、新たな高分解能な幾何学的構造解析手法を提案した。 (5)以上の成果を踏まえてナノ秒生体レーザアブレーションと前項のin vitro計測を融合して評価するための測定系の改善および試作を行った。
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