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1997 年度 実績報告書

表面グラフト重合による医用材料表面の精密設計

研究課題

研究課題/領域番号 09780822
研究機関国立循環器病センター

研究代表者

中山 泰秀  国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室員 (50250262)

キーワード表面グラフト重合 / 微細加工 / ブロック共重合 / 医用材料 / 表面設計
研究概要

医療デバイスの生体適合性は、血液や組織と接触する極表面における細胞レベルでの化学組成、と構造に大きく依存する。短期使用目的のデバイスに生体適合性を付与する手段として非電荷水溶性高分子の共有結合によるカップリング法やグラフト重合法などの表面修飾技術が開発されている。しかし、適用基材の制約、修飾部位の限定、修飾量の調節、あるいは基材内部の損傷や物性変化などに問題点を有しており、デバイス修飾への実際的応用はほとんど行われていない。
本研究ではベルジルN,N-ジエチルジチオカルバメート(イニファタ)の光反応性を利用してビニルモノマーの表面グラフト重合を行った。XPSスペクトル分析、水晶発振子マイクロバランス(QCM)、水接触角測定、および原子間力顕微鏡(AFM)観察より、グラフト重合は紫外光照射によってのみ開始され、グラフト量は照射エネルギー(光量と時間)の増加に伴ってほぼ直線的に増加することが示された。顕微鏡観察より、グラフト領域は微細な照射部のみに限定されることが示された。光エネルギーは光ファイバーで誘導することができるので複雑な形状をした成形加工されたデバイスの特定部位に対して修飾することが可能である。本表面グラフト重合法はXY平面(グラフト領域と密度)およびZ軸(グラフト鎖長)の精密制御を可能にした最初の方法であり、人工臓器などのデバイス表面の精密設計に応用できる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 中山泰秀: "医療用デバイスの表面精密設計・ジチオカルバミル基による光ブロック・グラフト共重合を用いたZ軸方向制御" 人工臓器. 26(1). 225-231 (1997)

  • [文献書誌] Yasuhide Nakayama: "Advances in Polymeric Bionaiterial Science" Eds T,Akaike,T,Okano,M,Akashi,M,Teramo,N.Yui,CMC,Co Ltd Tokyo, 686 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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