研究課題/領域番号 |
09831001
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
大矢 銀一郎 宇都宮大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00006280)
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研究分担者 |
入江 晃亘 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (90241843)
石井 清 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (30134258)
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キーワード | 高温超伝導体 / Bi_2Sr_2CaCu_2O_y / 単結晶 / 固有ジョセフソン接合 / 自然超格子 / 磁束量子 / ボルテックス・フロー / 高周波発振 |
研究概要 |
本研究は、層状酸化物高温超伝導体Bi_2Sr_2CaCu_2O_y単結晶における、CuO_2超伝導層とBiO/SrO絶縁層が原子層スケールで交互に積層した構造を持つ固有ジョセフソン接合超格子に励起される電子(正孔)波および磁束量子波のコヒーレント動作のダイナミックスを解明し、その動作を外部から干渉制御する方法を検討して、最終的に固有ジョセフソン接合超格子による量子効果デバイスの基本動作および原理を確立することが目的である。 昨年度までの研究成果を基に本最終年度に得られた研究成果は次のとおりである。 1.上記の単結晶に対して、デバイスの基本形である矩形および円筒形固有ジョセフソン接合超格子メサを作製する微細加工技術を確立した。 2.両メサにおいて、4.2Kで磁界を印加して磁束量子(ジョセフソン・ボルテックス)を導入し、バイアス電流によりそのコヒーレント動作を励起するとき、磁束量子(波)は固有ジョセフソン接合内に生ずる電磁波の最高位相速度にほぼ対応する(1-5)×10^6m/sの高速度で運動することを見出した。シミュレーションによっても、同様な磁束量子(波)の高速運動を確認した。 3.矩形メサは磁束量子(波)運動により高周波を発生し、その周波数は印加磁界によりほぼ比例して増加する制御ができ、0.16Tの印加磁界によって80GHzの高周波が発生することを確認した。このように、同メサのチューナブル高周波発振素子としての動作を明確にした。 4.矩形メサに電流パルスを直接印加することによっても、固有ジョセフソン接合超格子(の電子(正孔)波)にコヒーレント動作を励起でき、これによる数十GHz-THz超高周波発振の可能性を見出した。 5.こうして、固有ジョセフソン接合超格子の量子効果デバイスとしての基本動作および原理を明示した。
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