研究課題/領域番号 |
09831002
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
極微細構造工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
鷹岡 貞夫 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50135654)
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研究分担者 |
音 賢一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30263198)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | 量子ホール効果 / 分数量子ホール効果 / アンチ・ドット超格子 / 電気容量 / 2層2次元電子系 / 遠赤外磁気分光 / エッジ状態 / 磁気電子フォーカス効果 |
研究概要 |
2次元電子系で観測される量子ホール効果は試料に流す電流がある値をこえると壊れることが知られている。我々はこの現象を様々な不均一性をもつGaAs/AlGaAsヘテロ構造の2次元電子系やその上に電子が存在しない穴を規則正しく並べたアンチ・ドット超格子で調べた。その結果、比較的均一な試料では量子ホール効果を破壊する臨界電流に試料幅に比例しないのに対して、不均一試料やアンチ・ドット超格子の試料では試料幅に比例することを見出した。この結果を不均一さやアンチ・ドットなため試料内のホール電場均一になったためと説明した。 さらに電子間の相互作用が本質的な分数ホール効果状態に於いても、試料端に沿って流れるエッジ状態が存在し、その幅が整数量子ホール効果状態でのエッジ状態の幅と同様にμmの程度であることを、磁気電気容量の測定から見出した。その幅の励起電圧依存性を複合フェルミオンと関連づけて議論した。 また当方的な2次元電子系のフェルミ面が界面に平行な磁場により歪むことを、磁気電子フォーカス効果により、直接的に観測した。その結果、フェルミ面の歪みの電子濃度依存性は、電子濃度の変化をゲート電圧によるか、光照射によるか、その方法により異なることを見出した。 試料に対して磁場の方向が自由に変えることが出来る遠赤外フーリエ分光装置を用いて、2層2次元電子系のサイクロトロン共鳴の測定を行った。試料に平行な磁場による対称状態と非対称状態のフェルミ面の歪みに伴うサイクロトロン質量の変化を垂直磁場、平行磁場を系統的に変化させて観測した。その結果と半古典的な計算結果とを比較、検討した。
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