• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

顎運動における三叉神経上核および主感覚核ニューロンの生理,解剖学的特性の解明(単一ニューロン内電位記録法とHRP注入法を用いて)

研究課題

研究課題/領域番号 09832007
研究種目

基盤研究(C)

研究機関大阪大学

研究代表者

吉田 篤  大阪大学, 歯学部, 助教授 (90201855)

研究分担者 永瀬 佳孝  大阪大学, 歯学部, 助手 (50252698)
キーワード咀嚼 / 顎反射 / 三叉神経 / 二次ニューロン / ネコ / HRP / 細胞内電位記録法 / 細胞内染色法
研究概要

三叉神経主感覚核(Vp)ニューロンの、三叉神経運動核(Vmo)への関与は未だ不明であるので、本年度の研究は、細胞内電位記録法とHRP注入法を用い、単一Vpニューロンの生理学的特性を同定し、Vmoへの投射様態を光学顕微鏡レベルで観察することで、顎運動での役割を解明することを目的とし行った。その結果、以下の事項が解明された。1)Vpの背内側亜核(Vpd)と腹外側亜核(Vpv)ニューロンが同定され、Vpdには口腔内感覚を、Vpvの尾側部(cVpv)には顔面感覚を、吻側部(rVpv)には両感覚を伝達するニューロンが混在した。2)同定されたニューロンはすべて投射ニューロンであり、Vpdニューロン、rVpvニューロンは、同側のVmoに投射するものと、投射しないものが存在したが、cVpvニューロンはすべて投射しなかった。このVmoへの投射は、同側Vmoの背外側部(Vmo.dl)のみであり、腹内側部(Vmo.vm)には投射しなかった。3)口腔感覚の内の、歯根膜感覚を司るニューロン(Vpd、rVpvニューロン)は全てVmo.dlに投射したが、舌の触刺激に反応したニューロン(Vpdニューロン)は、Vmo.dlに投射しなかった。4)顔面感覚のうち、vibrissaの感覚を伝達するニューロンは、rVpvに位置するものはVmo.dlに投射したが、cVpvに位置するものは投射しなかった。5)Vpニューロンは、吻側亜核(Vo.r)ニューロンと同様に、stem axonが途中で分岐するtype Iと分岐しないtype IIに分され、VpdとrVpvニューロンは、type Iとtype IIが混在するが、cVpvニューロンはすべてtype IIであった。6)type Iニューロンは全てVmo.dlに投射したが、type IIニューロンは1本のaxon collateral も持たず、Vmo.dlにも投射しなかった。また、somaの存在するVp自身や小脳に投射するVpニューロンは認められなかった。以上の結果より、Vpニューロンの生理学的、形態学的特性、及び顎運動に果たす重要性が示され、またこれらは既に報告されているVo.rニューロンとは異なることが解明された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] H.KISHIMOTO: "THE CENTRAL DISTRIBUTION OF SYNAPTIC CONTACTS OF PRIMARY AND SECONDARY JAW-MUSCLE SPINDLE AFFERENTS IN THE TRIGEMINAL MOTOR NUCLEUS OF THE CAT" J.Comp.Neurol.391. 50-63 (1998)

  • [文献書誌] Y.C.BAE: "IDENTIFICATION OF γ-AMINOBUTYRIC ACID-IMMUNOREACTIVE AXON ENDINGS ASSOCIATED WITH MESENCEPHALIC PERIODONTAL AFFERENT TERMINALS AND MORPHOMETRY OF THE TWO TYPES OF TERMINALS IN THE CAT SUPRATRIGEMINAL NUCLEUS" J.Comp.Neurol.389. 127-138 (1997)

  • [文献書誌] 吉田 篤: "目でみる脳科学、三叉神経[IV]-二次ニューロンから運動ニューロンへの投射-" ブレインサイエンス. 8. 355-358 (1997)

  • [文献書誌] 吉田 篤: "目でみる脳科学、三叉神経[V]-セロトニン作動性線維の運動ニューロンへの投射-" ブレインサイエンス. 8. 233-237 (1997)

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi