研究概要 |
前年度までに、タイプ付きユニフィケーション文法、特にその応用であるHead-Driven Phrase Structure Grammarを用い、PierrehumbertやBeckmanによるunderspecifiedな音調モデルにもとづいて、辞書や統辞論レベルの異なる層に規定された情報が統合されて適切な日本語の音調情報を生成するモデルについて考察した。また、ATR自動翻訳電話研究所やドイツ政府プロジェクトVERBMOBILにおいて収集された日本語会話データを入手して解析し、また独自の会話データの収集も行った。本年度はこれらデータに音調モデルを当てはめて、理論の有効性を確かめた。特に、辞書、統辞論的規則、音韻論的規則、語用論的規則の中にそれぞれの部門として一般的で簡潔な情報を規定し、それらの間のインターフェースを最低限度規定すれぱ足りること、そのような文法のアーキテクチャの構成にあたってHPSGおよびPierrehumbertやBeckmanの方法が適していることが確認された。 成果の一部をCSLI Publicationsから出版予定のHPSGの論文集である"Studies in Constraint-Based Lexicalism"に投稿した。また、2000年2月東京で開かれた14th Pacific Asia Conference on Language,Information and Computationで発表した"A Unified Approach to Tense inJapanese."の一部として研究の成果を発表した。
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