研究課題/領域番号 |
09834007
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
談話(ディスコース)
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
西阪 仰 明治学院大学, 社会学部, 教授 (80208173)
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研究分担者 |
茂呂 雄二 筑波大学, 心理学系, 助教授 (50157939)
上野 直樹 国立教育研究所, 教育指導研究部, 室長 (40124177)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | 見ること / 談話 / 社会的活動 / 相互行為 / 会話分析 / ワークプレース / 知覚心理学 |
研究概要 |
「見ること」は、わたしたちに自然に起こることであると同時に、規範的な秩序に属するものである。実際、なにかを見損なうことは、しばしば非難の対象ともなりうる。たとえば、教室で学生が手を上げているのを見損なった教師は、きっと言い訳をするにちがいない。「見ること」の規範性は、見ることがどのような活動(たとえば「授業」)のなかで成し遂げられ、どのような活動を成し遂げるのに貢献しているかと、無関係でない。見ることの自然さは、いわば社会的活動もしくは相互行為の規範的秩序に埋め込まれている。今回の研究では、様々な振る舞い(とくに談話)が具体的な活動のなかでそのつどどのようにデザインされ、そのなかで「見ること」がいかにして達成されるか、また「見ること」がいかにしてその活動を組織していくかを、具体的な事例にそくして示すことを試みた。第一に、具体的な活動(協同でおこなうゲーム、ワープロ・レッスン、知覚心理学の実験)をビデオに収録し、それを詳細に転写し、会話分析の手法を用いて分析することをおこなった。談話やその他の音声、さらに身振りの微妙な連携のなかで、自然な「見ること」が達成される様子を、具体的に示すことができた。とくに知覚心理学は、わたしたちに二重の課題を投げかける。一つは、視覚に関する心理学の想定は、端的に誤っているということ。つまり、その誤りを具体的に示すという課題。もう一つは、にもかかわらず、その想定のもとで心理学実験は、まさしく一つの独自の活動を構成していること。すなわち、この想定にもとづきながら、いかにして心理学実験という活動は成し遂げられるか、を示すという課題である。第二に、作業現場(ワークプレース)におけるフィールドワークを通して、その作業現場にふさわしい仕方での視覚の組織がいかになされているか、の分析も試みた。とくに、新しく導入された機械の、その「新しさ」が、古い機械との併置をとおして組織されることを、具体的に示すことができた。
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