研究概要 |
本研究の目的は,聴覚障害児の数学的意味の構成に及ぼす談話の効果を解明することである. 今年度は,以下の通り,研究成果の発表を行ってきた. 10年7月 (江森)数学的コミュニケーションにおける同化と調節(日本科学教育学会年会) 7月 (森本)大学における数学の補習教育とその課題(日本科学教育学会年会) 10月 (森本)数学的問題解決の指導における新しいツールの活用(全日本聾教育研究大会) 11月 (江森)数学コミュニケーションにおける認識・同化・調節(数学教育論文発表会) 11月 (江森)「数学コミュニケーション」を数学的にしているものは何か?(同上) 江森の聴児における数学的意味の構成における談話の効果研究で得られた成果を基に,森本の聴覚障害児における数学的意味の構成に関する研究を手がかりに,江森・森本の二人の共同研究として,聴覚障害児の数学的意味の構成に関する談話の効果を解明することを試みてきた.健聴者のみを研究対象としてきた江森と,聴覚障害者の数学教育を中心に考察してきた森本とが,共通の研究基盤を作ることが,まずこの2年間の間に課せられた大きな課題であった.本研究の課題解決を通して,お互いの研究を理解し合うところから始めた私たちの研究を,より一層発展させるための基盤をつくることができたことが最大の成果であると云える.
|