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1998 年度 実績報告書

アルツハイマー病におけるアミロイドβ蛋白沈着と神経細胞死の因果関係の解明

研究課題

研究課題/領域番号 09835004
研究機関東京大学

研究代表者

山崎 恒夫  東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80200658)

研究分担者 井原 康夫  東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60114386)
キーワードアルツハイマー病 / アミロイドβ蛋白 / コレステロール
研究概要

アルツハイマー病(AD)の患者脳にはアミロイドβ蛋白(Aβ)が沈着している。in vitroレベルの実験では,Aβに細胞毒性がみとめられることから,in vivoでもAβの沈着によって,脳細胞の変性が誘導されていると考えることができる。しかし,Aβが脳に多量に沈着しているトランスジェニックマウスには,神経細胞死がみとめられないことから,Aβの存在がADで生じる神経細胞死の原因であると断じることはできない。我々は昨年度に,Aβの細胞内における産生部位の同定に焦点を絞って研究を進め,その部位をほぼ確定できた。本年度は以上の理由から,Aβの沈着がADの原因ではなく結果である可能性を検討することとした。
我々はコレステロールの担体蛋白であるアポE蛋白の遺伝子多型が,ADの重要なリスクファクターであることに注目した。コレステロールは細胞膜の重要な構成成分であり,かつ,その代謝産物は細胞の老化やアポトーシスと密接な関連があることが,最近示されている。そこでまず,細胞(K293細胞)のコレステロール含量の多寡がAβの産生量に与える影響について検討した。この結果,過剰のコレステロールによって,Aβの産生が低下する傾向が認められたが,実験ごとのばらつきが大きく,統計学的に有意な結果は得られなかった。次に,細胞膜中に含まれるスフィンゴリン脂質の多寡とAβの産生量を検討したが,やはり統計的に有意な結果は得られなかった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] T.Yamazaki: "Molecular pathology of Alzheimer's disease" Neuropathology. 17. 263-269 (1997)

  • [文献書誌] J.Nakabayashi: "Amyloid β-protein(Aβ)accumulation in the putamen and mammillary body during aging and in Alzheimer disease" J.of Neuropathology and Experimental Neurology. 57. 343-352 (1998)

  • [文献書誌] T.Yamazaki: "Effects of specific protease inhibitors on amyloid β-protein 42 secretion" Neurobiology of Aging. 19. S77-S79 (1998)

  • [文献書誌] H.Funato: American Journal of Pathology. 152. 983-992 (1998)

  • [文献書誌] 山崎恒夫: "アルツハイマー病" 蛋白質 核酸 酵素. 42. 2393-2398 (1997)

  • [文献書誌] 山崎恒夫: "Alzheimer神経原線維変化-最近の知見" Clinical Neuroscience. 16. 240-241 (1998)

  • [文献書誌] 山崎恒夫: "AGEとアルツハイマー病" 治療学. 32. 62-64 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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