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1997 年度 実績報告書

老化過程の促進機構の分子細胞生物学的基盤-モデル動物を用いた研究-

研究課題

研究課題/領域番号 09835005
研究種目

基盤研究(C)

研究機関京都大学

研究代表者

細川 昌則  京都大学, 胸部疾患研究所, 助教授 (00127135)

研究分担者 樋口 京一  京都大学, 胸部疾患研究所, 講師 (20173156)
キーワード老化促進 / モデル動物 / マウス / 培養細胞 / 大動脈 / 酸化ストレス / 多倍体化
研究概要

老化促進を示し短寿命のSAMP11マウス、及び遺伝的に近縁で寿命の長いSAMR1マウスの胎仔皮膚より線維芽細胞を単離し、継代培養した。定常期の細胞核DNA量、細胞分裂期の染色体数をみると、初代培養細胞の集団ではほとんどが2倍体細胞で4倍体細胞および異数体細胞はわずかであった。培養加齢にともない、多倍体化及び異数体細胞の増加がSAMP11及びSAMR1マウス由来細胞でともに観察された。さらにその変化はSAMP11で急速に進行した。また多倍体化、異数体細胞の出現には酸素ストレスが関係することがしられているが、SAMP11マウス由来の初代培養細胞では、細胞層の過酸化脂質がSAMR1マウス由来細胞よりも高く、SAMP11マウス由来細胞が高い酸素ストレス状態下にあることを示した。両系統マウスの胸部大動脈では、中膜平滑筋細胞の細胞数の減少、分泌型への形質転換が加齢に伴い進行する。SAMP11マウスでは9ヵ月齢以降変化が急速に進む。この時期では血圧などの血流動態は正常であり、老化の促進機構が個体レベルにおいても組織の構成細胞に働いている事が示された。加齢に伴い脳機能障害を示す、SAMP8系統マウスの脳組織よりミトコンドリア分画を調製し、ミトコンドリアのレドックス状態のマーカーである、Cu-PTSMの還元反応を検索したところ、ミトコンドリア電子伝達系/酸化的リン酸化系の機能亢進状態にあり、自由電子の増加が認められた。これらの事実は個体レベルの老化促進の機構として、組織を構成する細胞にたいして働く酸化ストレスが、重要な役割を果たしていることを示している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Hosokawa,M.: "Interventions of senescencein SAM Mice" Journal of Anti-Aging Medicine. 1. 27-37 (1998)

  • [文献書誌] Fujisawa,H.: "Accelerated aging of dermal fibroblast-like cells from Senescece-Accderated Mouse(SAM):Acceloation of changes in DNA ploidy asseciated with in vitra ceyulan aging" Journal of Gerontology. 53A. B11-B17 (1998)

  • [文献書誌] Hosokawa,M.: "In vitro study of the mechanisms of senescence acceleration" Experimental Gerontology. 32. 197-204 (1997)

  • [文献書誌] Ueno,M.: "Age-related changes in the brain transfer of blood-borne horseradish goroxidase in the hippocampus of Senescence-Acceleated Mouse(SAM)" Acta Neuropathologica. 93. 233-240 (1997)

  • [文献書誌] Higuchi,K.: "Accumulation of pro:apol:poprotein A-II in mouse senile amyloid fibrils" Biochemical Journal. 325. 653-659 (1997)

  • [文献書誌] Usami,S.: "Cell death in the inner ear associated with aging is apoptosis?" Brain Research. 747. 147-150 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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