• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

遺伝子導入による老化の制御

研究課題

研究課題/領域番号 09835013
研究機関(財)応用生化学研究所

研究代表者

幸村 定昭  財団法人応用生化学研究所, 研究部長 (80211233)

研究分担者 社本 雅代  財団法人応用生化学研究所, 研究員
八木 國夫  財団法人応用生化学研究所, 研究所長 (00022749)
キーワード遺伝子導入 / 老化 / グルタチオンペルオキシダーゼ / ミトコンドリア膜電位 / 平滑筋細胞 / リポソーム / 過酸化脂質 / 老化促進モデルマウス
研究概要

本研究は過酸化脂質の消去に与る酵素の遺伝子を細胞や動物個体に導入し、その活性を高めることにより、細胞あるいは動物の老化を制御することを目的としている。研究代表者らは特にリン脂質ヒドロペルオキシドグルタチオンペルオキシダーゼ(PHGPx)に注目し、平成10年度には以下の点を明らかにした。
1.PHGPxを発現していないモルモット由来細胞に過酸化脂質を添加するとその濃度依存的にミトコンドリア(Mt)膜電位(Δψm,蛍光プローブJC-1で観察)は早期に著しく低下するが、ヒトPHGPx遺伝子を導入し、高発現している細胞では過酸化脂質によるυmの低下は抑制された。すなわち、PHGPx遺伝子を導入することにより、過酸化脂質の細胞障害作用を抑制し、Mtの機能を保持できることを明らかにした(発表)。さらに、Mtの主要な脂質であるカルジオリピンが過酸化されるとシトクロームCとの相互作用が消失ることを見い出した。このことは細胞死につながる重要な現象である。しかし、研究代表者らはPHGPxがカルジオリピンの過酸化物を効率良く消去すること及びカルジオリピンによりPHGPxが著しく活性化されることも明らかにした(投稿準備中)。
2.ヒトPHGPxのcDNAを組み込んだpRetro-Off Vectorを用い、ラット胸部大動脈由来平滑筋細胞にPHGPx遺伝子を導入し、クローンの選択をおこなったが、本酵素を高発現している細胞を確立するまでに至っていない。現在継続中である。
3.リポソーム法により、動物個体に効率よく外来遺伝子を導入、発現させる方法を確立するため、ルシフェラーゼ遺伝子を用いて基礎的検討を行った。その結果、従来使用してきた正電荷リポソームをさらに修飾することにより、マウスの肝臓、心臓、肺臓においてルシフェラーゼの発現を著しく高めることが可能となった。現在、正電荷脂質の誘導体を種々合成し、発現効率をさらに高めることを検討している。それと並行して、レポーター遺伝子やPHGPx遺伝子を老化促進モデルマウス等に投与し、その発現を組織学的に検討している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Yagi,K.et al.: "Disstpation or mitochondrial membrane potential by exogenous pnosphollpid monohyaroperoxide and protection against this effect by transfection of cells with phospholipid hydroperoxide glutathione peroxidase" Biochem.Biophys.Res.Commun.245(2). 528-533 (1998)

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi