• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

白内障発症過程におけるタンパク質分解の機構とその意義に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09835017
研究種目

基盤研究(C)

研究機関(財)東京都老人総合研究所

研究代表者

猪股 光司  (財)東京都老人総合研究所, 酵素生化学部門, 主任研究員 (30142649)

キーワード白内障 / タンパク質分解 / クリスタリン / カルパイン / シャペロン様活性
研究概要

白内障は水晶体が何らかの原因で混濁化し、透明性を失った状態である。我々は水晶体の混濁化原因としてタンパク質分解の亢進に着目し、研究を行っている。これまでに遺伝性白内障ラットであるSCRを用いた解析から、水晶体混濁に伴うα-およびβ-クリスタリンの分解にはカルシウム依存性プロテアーゼであるカルパインが関与することを明らかにしている。そこで本年度は、カルパインによるクリスタリンの分解と水晶体混濁化との関係をより明確にするため、1)α-クリスタリンが有するシャペロン様活性(他のタンパク質の凝集や変性を防ぐ機能)に及ぼすカルパインの影響、2)カルパイン依存性のクリスタリン分解の免疫組織化学的な解析等を行なった。
正常の非混濁水晶体から部分精製したα-クリスタリンにカルパインを作用させ、シャペロン様活性の変動を解析した。その結果、α-クリスタリンのシャペロン様活性はカルパインによる限定分解でほぼ消失することが明らかとなった。また、混濁水晶体から調製したα-クリスタリンのシャペロン様活性も有意に低下していることが判明した。カルパインによる限定分解産物のみを認識する特異抗体を用いて免疫組織化学的な解析を行なった結果、カルパインによる限定分解産物は水晶体混濁が発現する部位と全く同じ場所で生ずることが確認された。更にβB1-クリスタリンはカルパインによる切断で可溶性から不溶性に変化することも明らかとなった。以上の結果から、カルパインは水晶体の混濁過程で水晶体タンパク質の不溶化に深く拘わっているものと思われる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Masayuki Tomohiro: "Immunohistochemical Study of Calpain-Mediated alpha-Crystallin Proteolysis in the UPL Rat Hereditary Cataract." Jpn.J.Opthalmol.41. 121-129 (1997)

  • [文献書誌] Mitsushi Inomata: "Evidence for the Involvement of Calpain in Cataraotogenesis in Shumiya Cataraet Rat(SCR)" Biochim.Biophgs Acta. 1362(1). 11-23 (1997)

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi