研究概要 |
1. プレセニリン1肝臓型アインフォームの発見 プレセニリン1遺伝子の発現をヒト脳、血液、肝臓等の臓器で検討し、肝臓、血液細胞内にこれまで報告されていないプレセニリン1転写産物のアイソフォームが存在することを発見した。このアイソフォームの全一次構造を決定し、プレセニリン1-374(アミノ酸が374残基より構成される)と命名した。,ゲノム遺伝子の解析によって、プレセニリン1-374が既に報告されている脳型アイソフォーム(プレセニリン1-467)と同一の遺伝子からデフィッファレンシャル・スプライシングにより合成されることを明らかにした。 2. プレセニリン1タンパク質の解析 プレセニリン1タンパク質の特性を明らかにするため、プレセニリン1-467アイソフォームをinvitroで合成し、ドデシル硫酸ナトリウム・ポリアクリルアミド電気泳動(SDS-PAGE)上での挙動を検討した。プレセニリン1タンパク質は、加熱処理により凝集塊を形成した。 3. プレセニリン1変異マウスの作製 マウスゲノムのエクソン9部分にヒト型プレセニリン1-374アイツフォームC末端部分をコードするcDNA断片を挿入し、強制的に374型にスプライスするミニジーンコンストラクトを作製した。このコンストラクトをES細胞に導入し、4個の相同組み換えES細胞クローンを得た。これらのES細胞クローンを用いてキメラマウスを作製し、ミニジーンコンストラクトがジャームラインに移行したヘテロマウスを得た。さらに、ヘテロマウスの交配を行ったところ、ホモマウスは死産もしくは生後直後死亡した。
|