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1998 年度 実績報告書

成熟B細胞分化増殖におけるc-Fosの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 09836001
研究機関千葉大学

研究代表者

徳久 剛史  千葉大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20134364)

研究分担者 岡田 誠治  千葉大学, 大学院・医学研究科, 助手 (50282455)
幡野 雅彦  千葉大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (20208523)
キーワードc-Fos / トランスジェニックマウス / 血球系幹細胞 / ドーマントな状態 / 発現誘導型遺伝子
研究概要

成熟B細胞が骨髄において血球系幹細胞から分化増殖する過程でのc-Fosの発現とその機能を明らかにすることを目的として、発現誘導型c-Fosトランスジェニックマウス由来の血球系幹細胞を用いて以下の研究成果を得た。
1)正常マウスの骨髄より血球系幹細胞をFACSを用いて分離分取してストローマ細胞上でSCFとIL-7により刺激して成熟B細胞へ分化させる系を確立した。このとき、B細胞のいろいろな分化段階でのc-Fosの発現をNorthern法を用いて解析した。その結果、血球系幹細胞をSCFとIL-7で刺激すると30分以内に一過性のc-Fosの発現誘導が起きることを明らかにした。
2)Mx-c-fosマウス由来の血球系幹細胞を上述のSCFとIL-7を用いたInvitroの系で培養してB細胞へ分化させる。その時、血球系幹細胞のいろいろな分化段階に発現誘導剤を加えて外因性c-Fosの発現を誘導した。その結果、血球系幹細胞が分化増殖刺激を受ける前に発現誘導剤を加えて外因性c-Fosの発現を誘導すると、SCFとIL-7の刺激を受けたにもかかわらず、その分化増殖を停止したドーマントな状態で生存することを明らかにした。しかし、SCFとIL-7の刺激を受けた後に発現誘導剤を加えて外因性c-Fosの発現を誘導しても、過剰のc-Fosによりその分化増殖を抑制することは出来なかった。
すでに血球系幹細胞が分化増殖刺激を受けても、それらの全てが分化増殖に向かう訳ではなく、一部の幹細胞はドーマントば状態で分化せずに幹細胞に分化段階に止まることが知られていた。以上の結果から、血球系幹細胞が分化増殖を開始する時一過性に発現誘導されるc-Fosの量が、その幹細胞がドーマントな状態にとどまるかどうかを決定している因子であることを明らかにした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Okada S.,et al.: "A physiological role of Bcl-xL induced in activated macrophages." J.Immunol.160. 2590-2596 (1998)

  • [文献書誌] Okabe S.,et al.: "BAZF,a novel Bc16 homolog,functions as a transcriptional repressor." Mol.Cell.Biol.18. 4235-4244 (1998)

  • [文献書誌] Inada K.,et al.: "c-Fos induces apoptosis in germinal center B cells." J.Immunol.161. 3853-3861 (1998)

  • [文献書誌] Okada S.,et al.: "Overexpression of c-fos suppresses cell cycle entry of dormant hematopoietic stem cells." Blood. 93. 816-825 (1999)

  • [文献書誌] Kobayashi K.,et al.: "Expression of a murine homologue of inhibitor of apoptosis protein(IAP)is related to cell proliferation." Proc.Natl.Acad.Sci.USA.96・4. 1457-1462 (1999)

  • [文献書誌] Tetsu O.,et al.: "mel-18 negatively regulates cell cycle progression upon B cell antigen receptor stimulation though a cascade leading to c-myc/cdc25." Immunity. 9. 439-448 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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