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1997 年度 実績報告書

体性感覚ディスプレイシステムの構築に関する生体情報工学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09838002
研究種目

基盤研究(C)

研究機関北海道大学

研究代表者

井野 秀一  北海道大学, 電子科学研究所, 講師 (70250511)

研究分担者 泉 隆  北海道東海大学, 工学部, 助教授 (80193374)
田中 敏明  札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (40248670)
和田 親宗  北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (50281837)
伊福部 達  北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (70002102)
キーワード体性感覚 / 触覚 / 視覚 / 感覚統合 / ハプティックディスプレイ / ヒューマンインタフェース / バーチャルリアリティ
研究概要

本研究課題のような人間と機械との係わりに関する研究では、ヒトの感覚機能を調べて、人間と親和性のあるヒューマンインタフェースを設計するといった、ヒトの感覚情報処理機構に学ぶ姿勢が不可欠である。そこで、本年度は、まず、ヒトの上肢系の触運動覚に重点をおいた体性感覚ディスプレイ設計のための基礎的研究を生体情報工学的な観点から行った。具体的には、操作パネル上での「ボタン押し」のように視覚と触運動覚が協調しながら作業を進めるといった基本的かつ重要な体性感覚ディスプレイの操作状況を想定し、指先位置の視覚情報の有無が触運動知覚(奥行き方向の接触位置の弁別閾)におよぼす影響を調べた。
その結果、体性感覚ディスプレイに必要な奥行き方向の位置決め精度は、作業空間内の位置にも依存するが、指先位置の視覚フィードバックがある場合は約1.5mm、ない場合は約4.0mmであった。従って、体性感覚ディスプレイの位置制御系には少なくとも1.5mm以下の位置決め精度を要することが分かった。また、作業空間内での操作位置の依存性に関しては、視覚フィードバックがない場合は肩から離れた位置での弁別閾が大きく、視覚フィードバックがある場合には頭部から離れるにつれて弁別閾が大きくなる傾向が若干見られた。従って、視覚フィードバックがない場合には肩部を中心とした空間座標系を、視覚フィードバックがある場合には頭部を中心とした空間座標系を基準としてヒトは作業空間を知覚している可能性が示唆された。また、接触対象の基準面の前後での弁別特性を調べたところ、基準面の奥側よりも手前側での接触位置の判断が難しいという補足的な知見を得た。一方、接触動作の上肢運動パターンと弁別閾との関係を調べてみた。その結果、弁別閾の大きな被験者は弁別閾の小さい被験者に比べて、指先の運動速度がベル型から水平型に移った接触直前の動作フェーズ時間が長くなる傾向にあることが分かった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 井野秀一: "触覚の材質感呈示システムのための基礎的研究" 電気学会論文誌C分冊. 117-8. 1062-1068 (1997)

  • [文献書誌] T.Ifukube: "A Study on Tele-Existence of the Tactile Sense" J.Robotics and Mechatronics. 9-3. 197-202 (1997)

  • [文献書誌] 安田星季: "空間知覚における視覚と体性感覚の認識誤差特性" 情報処理学会研究報告(ヒューマンインタフェース研究会). 76-15. 85-90 (1998)

  • [文献書誌] T.Tanaka: "Age-related changes in postural control associated with location of the center of gravity and foot pressure" Physical & Occupational Therapy in Geriatrics. 15-2. 1-14 (1998)

  • [文献書誌] T.Tanaka: "Improvement on tactile sensation on the great toe for reestablishing standing balance in hemiplegic subjects" Clinical Biomechanics. (印刷中). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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