研究概要 |
1 テクスチャー体系化のための表面方程式の構築 テクスチャーの断面形状を座標と法線ベクトルの2つの観点より数値化し,制御可能なものとした。この両者のデータ表現のメリットを生かすことで,詳細なテクスチャーの制御が可能となった。また,テクスチャーがランダムではなく「周期性が有る」テクスチャーについては,その断面形状を分析した結果,フーリエ変換を行ったSin波の合成として,周期性をもつテクスチャーの断面を表現できることを明らかにした。一方,ランダムな表面を持つ「周期性の無い」テクスチャーについては,その表面の表現方法として,フラクタル理論を用いて表現可能なものとした。 このように,表面の周期性の特性により,2つの方法によりテクスチャーを方程式として表現可能なものとし,本研究ではこれらの方程式を「表面方程式」と呼ぶことにした。さらに,断面形状におけるテクスチャーの起伏については,最上面と最下面の差を深度としてとらえることにした。そして,この深度をテクスチャーの「振幅」としてとらえ,上記の表面方程式との合成を行えるようにした。 2 上記方程式を利用した新たなテクスチャーの創成とイメージとの対応 上記の数値化データ・表面方程式・振幅などを応用することで、実在しないテクスチャーを開発を試みた。これらのテクスチャーも踏まえた、テクスチャー全体の空間地図を構築するためのデータを、既存データの合成(コンポジット)により生成することができた。 さらに,上記で作成できたテクスチャーについて、イメージ評価などによる見た目・感触に関する評価と、上記の数値的データとの関係をとらえ、感性工学的な尺度を構築を行った。特にテクスチャーにおける感覚的な尺度とは何かを探りアンケートの結果とテクスチャーとの比較を行った。その結果より,統合的なテクスチャーの体系図を構築することができた。
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