研究概要 |
作業者にとっては注視している対象物が揺れ動くことにより無意識に起こる人体の揺れ,および,まわりの音の強さが揺れることにより無意識に起こる人体の揺れについて測定した.また、人体が床から直接加振を受けた場合の人体の基本的振動特性についても測定した.その結果、以下のことがわかった. 1.視覚加振による人体振動実験 暗室内で3次元的に見える映像をディスプレイ内で左右に揺らす、あるいは前後に揺れているように見える場合の人体特性を測定した.その結果、映像が正弦振動する場合は、0.25Hzで映像を揺らせた場合に人の立姿勢が不安定になる被験者が多く、全体では、0.1〜0.3Hzの間で不安定になる傾向があった. 2.聴覚加振による人体振動実験 被験者のまわりで音源が揺れた場合,人体がどのように揺れるかについて,測定した結果、映像と同様、0.25Hzで音源が揺れた場合に人体は不安定になりやすいこと、また、440Hzの音と220Hzの音で比較した結果、220Hzの音を聞いていてるときの方が人体は不安定になりやすいことがわかった. 3.床加振を受ける場合の基本的人体振動特性 振動台の上で被験者が立姿勢をとっている場合の基本的人体振動特性を測定した結果、人の下半身に振動緩和能力があり、受動的というよりも積極的に脚下部への加速度(変位)を入力を緩和しているとみなすことができ、4Hz前後で頭部がやや揺れるが、10Hz以上では完全に振動が下部で吸収されていることがわかった.
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