研究概要 |
人が視覚情報と聴覚情報の両方を同時に受ける場合、姿勢安定がどのような影響を受けるかについて測定を行った.注視している映像は3D映像、聴覚情報は音源が左右に揺れているように作成した。その結果、視覚情報と聴覚情報の両方を受ける場合、位相を一致させる合わせると、立姿勢は音のほうにつられやすいことがわかったが、位相を変えるとつられなくなるなどの結果が得られた。 また、昨年のマルチボディシミュレーションソフトで作成した、人体モデルをさらに精度よく作成するため、腰関節、首関節、足首関節の剛性を人体で測定し、モデルの改良をおこなった。人は床から振動を受ける場合、頭あるいは上半身の揺れを止めるようにバランスをとっていると考え、その揺れを小さくするように腰、首などに意識的にフィードバック制御を行った結果、実験で行った結果とよい一致を見た。その場合、尻部を左右に振ることで免震を行っており,このことから,腰部は人体の免震に関して非常に重要であり、全体では、人の構造上発生するばねとも考えられる関節のばねだけで免震を行っているのではなく、人体各関節部に意識的にモーメントを発生させ,免震を行っていることがわかった。また、このモデルにおいて頭の振動数特性も実験結果とよく一致することがわかった。したがって、簡易的な剛体モデルであっても,実際の人体のデータを用いることによって,ある程度の特徴を持った人体モデルが作成できることが確認できた。
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