研究概要 |
本年度は、生体酸化酵素モデルとなる高分子金属錯体を合成し得られた高分子金属錯体の持つ悪臭分子分解能について検討を行った。金属錯体として金属フタロシアニン錯体を用い、錯体周辺へのカチオン基の導入による触媒活性の向上及びポリエステル内への金属フタロシアニン錯体の導入による不均一触媒の調整とこれを用いたチオールの酸化分解反応について研究を行った。これらの高分子金属錯体は悪臭分解能を持つことが明らかとなり、さらに悪臭に対するセンシング能も持ち合わせていることから、新規な悪臭センサ用センシング材料への応用が考えられる。これらの成果は Journal of Porphyrins and Phthalocyanines (1,309 (1997),2,31 (1998))に発表した。さらに、センシング能を持つ共役高分子を合成し、金属塩存在化での配位子置換反応を利用した悪臭センサーの開発を行った。共役高分子は、それ自身強い蛍光を持ちこの高分子内にセンシング部を導入することによって目的とする物質の結合による蛍光強度が観測された。これに関しては、Advanced Materials(掲載予定)に発表を行った。
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