研究課題/領域番号 |
09838014
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
感性工学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
白井 汪芳 信州大学, 繊維学部, 教授 (80021153)
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研究分担者 |
英 謙二 信州大学, 繊維学部, 助教授 (60126696)
木村 睦 信州大学, 繊維学部, 助手 (60273075)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | 悪臭 / センサ / 官能評価 / 金属フタロシアニン錯体 / Sensory Test |
研究概要 |
近年、窒素酸化物や硫黄酸化物に代表される酸化性ガスによる、地球規模に及ぶ環境汚染が深刻な問題となってきた。これら酸化性ガスは人体の呼吸器に対して有害であるばかりでなく、大気中に拡散することによって酸性雨を生成させる原因ともなる。環境管理を行う際には、発生した酸化性ガスの存在を確実に検知する必要が有り、ガスセンサの開発が叫ばれるようになった。フタロシアニンはp型半導体の性質を有するが故に、酸化性ガスが吸着若しくは接近すると電子を奪われて正孔の数が増加し、電気抵抗値が減少する。この現象を利用したガスセンサの開発が数十年来に亘って続けられてきたが、材料本来の電気抵抗値が大きく測定が困難である、経時変化によって劣化してしまう、等の様々な問題が有り、未だ実用化には至っていない。コバルトフタロシアニン錯体電解析出膜を用いたガスセンサを作製し、ガス検知特性を評価した。2種のセンサ共に、1ppm程度の低濃度のNO_2及びSO_2の存在を検知可能であることが確認された。 硫化水素は下水道から発せられる悪臭源であり、人体にとって有毒なガスである。メルカプタン類は都市ガス中の付臭剤として用いられており、臭いを嗅ぐことによってガス漏れの有無を検知することができる。しかしながら、ガスが人体の呼吸器中に入り込むことは好ましくなく、センサデバイスによる検知が望ましい。ペリレン誘導体はn型半導体の性質を有するため、硫化水素やメルカプタン類のような還元性ガスが吸着若しくは接近すると電子が与えられて電気抵抗値が減少する。本研究に於いては、この原理に基づいて硫化水素若しくはメルカプタン類の存在を検知するガスセンサの作製を試みた。3種のセンサのいずれも、1ppm程度の濃度のH_2S及び数+ppb程度の濃度のCH_3SHの存在を検知可能であることが確認された。
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