研究概要 |
感応評価のモデル,意思決定過程のモデルなど人間の感性のモデリング手法の開発を目指して,(a)ファジィニューラルネットワーク(FNN)によるモデリング,(b)遺伝的アルゴリズム(GA)によるモデリング,および(c)免疫システム(IS)によるモデリングについて研究を進めた。 平成9年度の実績は以下の通りである。 (a)FNNによるモデリング 感性のモデリングにおいて重要なことは、対象の出力に関連の深い入力変数の適切な組み合わせの選択とそれらの入力変数が構成する入力空間の適切な分割を獲得することである。本研究では、FNNとGAを組み合わせることで適切な入力変数選択を行う手法を開発した。さらに、入力空間の不均等分割を高速に行うモデリング手法を開発した。本手法は簡潔で精度の高いファジィモデルの同定を可能とする。 (b)GAによるモデリング 入力空間に偏在するデータからのモデル獲得においては、GAによるファジィモデリングが有効であるが、得られたファジィルールはルール毎に入力変数の組み合わせ、用いるメンバーシップ関数の形状が異なり、どのような知識が獲得されたのか把握が困難であった。本研究では、GAにより獲得されたルールの明示化手法を開発した。本手法はルールの精度の劣化を最小に抑えながら、知識の抽出を可能とする。 (c)ISによるモデリング ヒューリスティックに与えられたルール群に対して、ルール間の発火調整を行う手法の開発を進めた。FNNおよびGAにより得られたファジィモデルと併用して、ファジィ推論と記号推論の統合による知的システム構築の可能性を見出した。
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