研究課題/領域番号 |
09838018
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
上田 充夫 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (20243123)
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研究分担者 |
平松 幸三 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (70026293)
横川 公子 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (50090923)
佐藤 哲也 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 講師 (20252546)
浦川 宏 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (10183211)
梶原 莞爾 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (10133133)
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キーワード | 感性 / ダイナミックス / 動的変化 / 音 / 色彩 / 服飾 |
研究概要 |
感性の動的変化を科学的に評価する上で、変化を時間軸にそってとらえる方法と、位置による変化としてとらえる方法が考えられるが、時間軸にそった変化を主としてとらえた前年度の検討を引き続き行うとともに、今年度は新たに、位置、すなわち地域あるいは国の違いによる変化を含めた検討を行った。検討対象には前年度と同様に、音、色彩、服飾などを設定し、これらに対する人間の感性的レスポンスを時間軸あるいは位置の違いによって収集し分析した。音に対する人間の感性的レスポンスを調べるために、サウンドアーカイブに対する言語的表現の対応について検討を行った。その結集、特定の音を直接指示する語が音質や付帯状況などさらに細かい状況を説明するための語によって修飾されていることが明らかになった。さらに、音に対する感性的レスポンスの位置によるダイナミックスを調べるための手段として、伝統的な織物産業が立地する京都西陣において、音を主としたインテンシブ調査を実施した結果、同地区居住者の音環境への評価は他地域と比較して特徴的な結果が見出され、音環境への居住者の意識は、社会的・文化的・個人的文脈に大きく影響を受けることが示唆された。類以の検討を色彩を対象にしても実施した。色彩サンプルに対する感性的レスポンスを言語的表現に置き換えて整理する試みを行い、さらに、この検討を国際的スケールで実施した。その結果、色彩に関する感性的レスポンスについても、人種、社会、文化などの違いで微妙に変化することが明らかとなった。服飾を対象とした感性的レスポンスに関する検討では、服飾が極めて多くの感性的要素を持っているので、そのダイナミックスは人間の生きる姿そのものをあらわしている。ここでは、人間の生活が大きく変貌した明治大正時代における時間軸でのダイナミックスを主体に検討を加え、人間生活の変遷と服飾のダイナミックスについて論じた。
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