研究概要 |
芸術(音楽)における感性情報の抽出と技能の実現 本年度は,インタラクティブアートにおける,技能と精神的な活動の実測と検証という目的に関し,実験環境の制作を中心に研究開発を進めると同時に,実測を行うためのコンサート開催の準備を進めてきた. 我々は以前より,インタラクティブアートを実施するためのジェスチャセンサと制御システム研究室レベルでの生体情報計測の技術を開発し,本研究に関するそれぞれの技術単位における実験を行ってきたが,演奏の真の姿であるコンサート実演中の生体指標の計測は不可能であった. 本年度は,実際のコンサート現場において使用可能な精神的な生体指標の計測センサとして,携帯型(無線・小型)の皮膚インピーダンス,脈打(心拍)を入力するデバイス,インタラクイティブアートの実演中に,ジェスチャおよび生理指標を記録するプログラムの開発を行った. 新しい生理指標センサは,複数チャンネルの同時無線使用が可能である.被験者は動き回ることが可能な他,複数人の使用により,(人間同士の)インタラクションにおける心理状態の伝播の計測など,今までにほとんど行われなかった「感性情報」に関する研究への応用が期待されるものである. 現在,700〜800人が入場可能なホールにて,インタラクティブアート作品「竹管の宇宙∨」のコンサートを行うための最終的な準備に入っている.(3月18日公演). このコンサートで,パフォーマ-の演奏制御(技能)と精神活動(生理指標)を計測し,後日解析を行う予定である.
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