研究課題/領域番号 |
09838023
|
研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
井須 尚紀 鳥取大学, 工学部, 助教授 (50221073)
|
研究分担者 |
清水 忠昭 鳥取大学, 工学部, 助手 (80196518)
菅田 一博 鳥取大学, 工学部, 教授 (80026020)
|
キーワード | 3D映像 / 視運動刺激 / シネラマ酔 / 動揺病 |
研究概要 |
1. 3D用大型スクリーンおよび映写装置等を用いて3D映像システムを構成し、視運動刺激による動揺病発症に重力加速度がどのように影響するかについて実験を行った。映像の回転軸の方向、および視覚性に知覚される鉛直方向の感覚が視覚性動揺病の発症にどのように影響するかを調べた。 2. 実験では、15名の健康な男女学生を被験者とし、暗室内でスクリーンから3mの距離に座らせた。視運動刺激には、映像の回転軸と視知覚性鉛直方向が異なる7種類の映像を用いた。ここで、視知覚性鉛直方向とは映像に描かれた地面、空、オブジェクトの方向などから、視覚性に生じる鉛直方向の感覚のことをいう。1種類の刺激時間は3分間とし、1回の実験で7種類の映像を被験者に与えた。各刺激間には1分間の休憩を設けた。3分間の視運動刺激で生じた不快感を、一対比較法を用いて被験者に主観的に評価させ、Thurstoneの比較判断則によって尺度化した。 3. 映像の回転軸と視知覚性鉛直方向が共に鉛直(重力加速度方向)な回転に比べて、回転軸が傾斜する程、また視知覚性鉛直方向が傾斜する程、不快感の強度が高まる結果が得られた。重力によって受ける加速度が変化する回転(すなわちoff-vertical rotation)の感覚を視覚性に与えられることが、不快感を強めるものと考えられる。また、映像の回転軸が重力加速度方向となす角(傾斜角)の影響が、視知覚性鉛直方向となす角の影響よりも大きいことが示唆された。
|