研究概要 |
これまでに,感性・感情の伝達の複雑性と揺らぎを分析する数学的手法を開発してきた。具体的には,商品や環境評価におけるあいまい性,状況依存性,さらには評価モードのもつ多義性,時間的変化を包み込むような数学的分析手法などである。実際的場面における感性・感情の理解はコミュニケーションにおける身振り手振りや,表情などの付加情報により変動するから,本年度は,先の数学モデルの上に対話的モジュールをかぶせることで,感性・感情の理解を深めるための支援システムを設計した。具体的には,特定の対象に対する評価ワードをいくつか選定し,それらを用いて対象の評価実験を行い,種々の統計解析により,感性の揺らぎと複雑性についての検討を行った。また,感性評価データを開発した数学的手法で分析し,感性ワード間,対象間のファジィな距離を同定する。また,感性ワードと対象との間の対応関係を同定した。モデル化しきれない情報を扱うための対話システムを設計し,数学モデルと相互補完的に用いる感性・感情理解システムを開発した。
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