研究課題/領域番号 |
09838042
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | メディア教育開発センター |
研究代表者 |
仁科 エミ メディア教育開発センター, 研究開発部, 助教授 (20260010)
|
研究分担者 |
不破本 義孝 国際科学振興財団, 専任研究員 (60261129)
河合 徳枝 国際科学振興財団, 専任研究員 (50261128)
大橋 力 千葉工業大学, 工学部, 教授 (90015652)
|
キーワード | 感性 / 高周波 / 脳波α波 / 最大エントロピー法 / 心理学的評価 / 画像の精細度 |
研究概要 |
この研究では、人工的な情報環境のなかで重要な位置をしめる電子メディアから供給される視聴覚感性情報を対象に、人間に感性反応をもたらす周波数成分の構造がどのようなものであるかを生理学的・心理学的にあきらかにすることを通じて、感性の生理学的計測と定量化手法を開発し、感性と生理的指標との対応について新たな知見をえることを目的としている。今年度はおもに下記の成果がえられた。 (1)感性効果をもつ高周波成分のもつ高周波成分の構造の検討 すでに申請者らは、22kHz以上の高周波による感性効果を見いだしている。しかし、この効果をもたらす周波数成分の構造についてはまだ実証的な知見を得るに至っていない。そこで、呈示する高周波帯域の上限・下限を任意に設定できるシステムを構築し、高周波成分を豊富に含む音源を録音、編集して音響試料を複数編集した。これらをもちいた予備的実験により、少なくとも30kHzに達する帯域の高周波成分の効果を示唆する結果をえた。 (2)ミクロな時間領域における脳波の挙動分析手法の開発 これまで開発してきた脳波を指標とする生理学的感性評価システムを高度化し、最大エントロピー法を応用して、ミクロな時間領域の脳波の挙動を高い信頼性で解析しうるシステムを開発した。これによって、高周波を豊富に含む音を提示したときには、約7秒間にわたって脳波α波ポテンシャルが低下することが統計的に有意に見いだされた。 (3)視覚情報の精細度の生理学的・心理学的評価 メディアから供給される画像の精細度が人間におよぼす影響を生理学的・心理学的に評価するために、3種類の精細度をもたせた静止画および動画をもちいた評価実験をおこない、映像の精細度が高いほど脳波α波ポテンシャルが高まる傾向が見いだされた。
|