1.沖縄県・鹿児島県・佐賀県から採集したアカソゾ(Laurencia majuscula)は各地域個体群を特徴づける成分を生じていることが明らかにされた。すなわち、本種においてもウラソゾ(L.Nipponica)同様に、chemical racesが分化していることが明らかになった。沖縄県名護市屋我地の個体群は新規セスキテルペンを生成している可能性があり、構造決定を行っている。 2.沖縄県から採集した新種あるいは日本新産と考えられる種(Laurencia sp.)から新規ジテルペンを単離し構造決定した(印刷準備中)。 3.沖縄県から採集したミナミソゾ(Laurencia nidifica)からlaurinterolを主成分とするセスキテルペンが単離された。これらは三重県・ハワイ島の本種の個体群の成分構成に類似しており、本種は広い分布域にわたって、シクロロウラン型のセスキテルペンを生成していることが明らかになった(印刷準備中)。 4.鹿児島県から採集したキクソゾ(Laurencia composita)からjohnstonolなど5種類のセスキテルペン単離した。この結果と従来の報告と合わせて、本種はその分布域全体にわたって、カミグレン型のセスキテルペンを生成する個体群からなっていることを示した(印刷準備中)。 5.カタソゾ亜属(Chondrophycus)の鹿児島県産タカサゴソゾ(Laurencia palisada)、沖縄県産カタソゾ(L.cartilaginea)・ヤエヤマソゾ(L.concreta)には含ハロゲン化合物が含まれていないことが分かり、カタソゾ亜属とマソゾ亜属(Laurencia)の差異がより明瞭になった。
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