• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

棘皮動物ボディプランの起源に関する個体発生学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09839009
研究機関東京大学

研究代表者

雨宮 昭南  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (30011670)

研究分担者 田中 省二  三菱化学生命科学研究所, 生命画像情報研究室, 主任研究員
キーワードウニ / 棘皮動物 / ボディプラン / 個体発生 / 左右非対称性 / 小小割球 / ウミユリ / リチウム
研究概要

1) 小小割球の左右不等配分に関する研究(1)成体原基と小小割球の左右性における相互関係--ウニ幼生では、5放射相称型の成体原基は、基本的に幼生体の左側に形成される。また、我々の従来の研究から、小小割球の子孫細胞は、左側体腔嚢に余分に配分されることがわかっている。成体原基の左側形成と、小小割球の左側過剰配分の間に、相互関係があるかを、小小割球および小小割球子孫細胞の切除実験から調べた。その結果、成体原基と小小割球の左右性は、必ずしも相関していないことがわかった。(2)小小割球左右不等配分様式の核支配--小小割球子孫細胞の左右体腔嚢への不等配分の様式は、ウニの種類によって、左右に5:3の比率で配分されるグループと、8:0の比率で配分されるグループとに分れることが、従来の我々の研究から明らかになっていた。この5:3型の種と8:0型の種とを掛け合わせたところ、常に、8:0型が優性に現われ、小小割球の左右不等配分の様式は、8:0型を優性として、zygoticに決められていることが明らかになった。
2) 左右非相称性の成立に対するリチウムの影響に関する研究--左右非相称性に対するリチウムの影響は、ウニの種によって感受性が異なり、バフンウニは、リチウム処理により成体原基形成方向に影響を受けるが、ハスノハカシパン発生影響を受けないことが明らかになった。小小割球の左右体腔嚢への不等配分は、バフンウニもハスノハカシパンも、ともに、リチウムの影響を受ける。この面からも、成体原基と小小割球の左右性は、必ずしも相関していないことがわかった。
3) 有柄ウミユリ類トリノアシのHoxおよびHbox遺伝子--有柄ウミユリ類トリノアシのHox遺伝子の分離を試み、6個のHoxの分離に成功した。また、クラスターにのらないMrHbox1を分離し、その塩基配列の決定を行なった。この遺伝子は、ホメオボックス遺伝子として、類似のファミリーが見つかっていない、全く新しい遺伝子である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Oji,T.and Amemiya,S.: "Survival of crinoid stalk fragments and its taphonomic implications:addditional discussion." Paleont.Res.(印刷中). (1999)

  • [文献書誌] Kurokawa,D.,Amemiya,S.et.al.: "HpEts,an ets-related transcription factor implicated in primary mesenchyme cell differentiation of the sea urchin embryo." Mechanisms of Development. (印刷中). (1999)

  • [文献書誌] Oji,T.and Amemiya,S.: "Surival of crinoid stalk fragments and its taphonomic implications." Paleont.Res.2. 67-70 (1998)

  • [文献書誌] Minokawa,T.and Amemiya,S.: "Mesodermal cell differentiation in echinoid embryos derived from the animal cap recombined with a quartet of micromeres." Zool.Sci.15. 541-545 (1998)

  • [文献書誌] Saito,M.,Amemiya,S.,et.al.: "Induction of metamorphosis in the sand dollar Peronella japonica by thyroid hormones." Dev.Growth Differ.40. 307-312 (1998)

  • [文献書誌] Yokota,Y.and Amemiya,S.: "A putative vitellogenin in coelomic fluid of echinothurioid sea urchins,Araeosoma owstoni and Asthenosoma ijimai." Comp.Biochem.Physiol.119A. 801-806 (1998)

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi