1.サトイモに関する研究 (1)アイソザイム分析による系統進化学的研究:13酵素の21対立遺伝子座で46対立遺伝子を決定した。またネパールと雲南の系統を比較して、東アジアのサトイモ伝播における中国南西部の重要性を明らかにした。 (2)葉緑体DNA分析による系統進化学的研究:RFLP、RAPD、PCRによる分析によって、分子マーカーによるサトイモ科の系統樹を作成し、それが従来の形態分類による系統樹と大筋では一致することを確認した。しかし種・属間雑種と推定される系統の分析により、サトイモ属と近縁種、特にクワズイモ属との間に密接な類縁関係が存在する可能性があることを明らかにした。 (3)サトイモ属とクワズイモ属との間の自然属間雑種の分析と人工属間雑種作成:世界ではじめて属間雑種作成に成功し、しかも非還元配偶子の関与による3倍体の成立を証明した。 (4)サトイモの野性型と栽培型との雑種後代について:野性型と栽培型の交配後代において、雑種第一代から地上部の色素発現、地下茎の形状ともに幅広い分離が見られ、両者が基本的に差のないことを示した。 2.コムギに関する研究 (1)播性・春播性遺伝子型に関する研究:春播型、秋播型の分布と、日本のVrn3遺伝子の起源を示した。 (2)RAPD分析とCAPS分析による適応と分化に関する研究:RAPD分析により中国西・北部と東・南部での遺伝的分化をしめし、CAPS分析によってEm遺伝子の分布を説明できた。 (3)アイソザイム分析:6種類のアイソザイム分析により、中国南西部の系統は他地域のものと疎遠であることを示した。また西からの日本への伝播に2ルートあることが示唆された。
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