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1997 年度 実績報告書

クラヴィコードを視点とした18世紀のヨーロッパの音楽文化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09871008
研究機関東京学芸大学

研究代表者

久保田 慶一  東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (70170032)

研究分担者 椎野 伸一  東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (10187320)
キーワードクラヴィコード / 音楽史 / 18世紀のヨーロッパ / C.P.E.バッハ
研究概要

平成9年8月に、クラヴィコードが搬入された。
椎野は、楽器奏法を取得し、18世紀の作曲家(J.S.バッハ、C.P.E.バッハ等)のクラヴィコード作品の演奏を試みた。特にフレージング、ベ-ブンク、リズム法といった、この楽器の特性に由来(適)する音楽表現様式と、実作品との関係を、演奏を通して考察した。その結果、クラヴィコードの特性を作曲家は理解し、その表現に努力しており、クラヴィコード以外の鍵盤楽器(例えば、チェンバロ、ピアノ・フォルテ、オルガン)の作曲様式が演奏様式にも、クラヴイコードの奏法の影響が指摘できる。家庭用楽器あるいは卓上楽器であったクラヴィコードが、この時代の鍵盤音楽の基本的音楽様式を形成していたことが明らかになった。
久保田および丸山は、楽器学の立場から、楽器の構造の特性を解明した。基本的には、古代・中世の「モノコルド」に由来するクラヴィコードは、モノコルドが音楽理論の考察の楽器であったことを反映して、作曲家用の卓上楽器として、重要な地位を保ち続けた。他方、弦と鍵盤が直結したクラヴィコードでは、演奏家の指や手の動きが、直接弦に伝わり、実にニュアンスに富んだ音楽表現を可能とした。このように、クラヴィコードは、音楽史において、その役割を持つことになった。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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