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1997 年度 実績報告書

日本語学習支援のための教科書とコミック誌に基づく語彙データベースの作成

研究課題

研究課題/領域番号 09871016
研究機関名古屋大学

研究代表者

齋藤 洋典  名古屋大学, 大学院・人間情報学研究科, 教授 (40178504)

研究分担者 齋木 潤  名古屋大学, 大学院・人間情報学研究科, 助手 (60283470)
キーワードマルチメディア / 通信 / 日本語 / 学習 / 支援 / 漢字 / CAI
研究概要

<本研究の目的>
1)日本の小学校,中学校,高等学校における教科書,及びコミック誌に出現する単語の種類とそれらの頻度を調査し,語彙表を作成する.既に何らかの調査が存在するものについては,その結果を参照し,データ間での比較を可能とするために本研究の指針として利用する.
2)時代による語彙の変遷を,出現単語の種類と出現頻度の両観点から比較検討する.
3)これらの調査と比較検討を通じて,教科や科目分野における語彙の変遷を比較検討する.
4)以上の結果を,第二外国語としての日本語学習教材における語彙と比較する.
<本年度の研究実施概要>
1)小学校・中学校における国語科の教科書として,最も使用頻度が高い光村図書出版のものをテキスト・データとして入手した.教科書を対象とする既存の語彙調査には,光村図書から出版された平成8年版の小学校国語教科書を対象とする甲斐・松川(1996)が存在し,彼らは1980年以降,教科書改定のたびに同様の語彙調査を継続している.これらの調査分類は主に,教育現場での語彙指導に役立てることを目的としているために,用いられている品詞分類はいわゆる学校文法に準拠して簡略化されている.
2)本研究では,汎用性の高い語彙表の作成を目指し,現段階では,新聞記事データを対象に,品詞分類を含む基本索引項目について検討中である.具体的には,既存の形態素解析システム(松本他,1996)を利用し,その辞書が言語資料に対して最適化されるように調整を試みている.このシステムに実装されている文法は,益岡・田窪(1992)に基づいており,学校文法に比べて記述的な妥当性が高いと考えられる.また,解析結果の出力も計算機を利用した集計に適していると考えられる.
3)加えて,本研究で付加的に実施中の新聞記事を対象とする語彙調査は,過去の教科書やコミック誌における語彙について,その時代変化を捉える際に,新聞記事との比較・対照を可能とし,変化の様相のより明確な位置付けに役立つと考えられる.
4)なお,小中学校の国語科以外の教科書,高等学校における教科書,およびコミック誌のテキスト・データについては未入手であるが,イメージスキャナを利用したテキスト読み取りとそれに対する検査の実施が準備段階にある.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Saito, H.et al.: "Form and sound similarity effects in Kanji recognition." Reading and Writing: An Interdisciplinary Journal. (印刷中).

  • [文献書誌] 齋藤 洋典: "漢字の情報処理に関する認知心理学的アプローチ" 日本語学. 16. 61-71 (1997)

  • [文献書誌] 齋藤 洋典, 他: "上下分離漢字における部品 (部首)の出現頻度表II" 情報文化研究. 6. 115-130 (1997)

  • [文献書誌] 齋藤 洋典: "心的辞書 (岩波講座 言語の科学3 : 単語と辞書)" 岩波書店, 219 (1997)

  • [文献書誌] Saito,H.et al.: "Contributions of radical components to Kanji character recognition and recall." The Chinese University Press, 456 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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