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1997 年度 実績報告書

自己の感情経験を子どもはいかに語るか:自己形成における感情の果たす役割

研究課題

研究課題/領域番号 09871030
研究機関東洋大学

研究代表者

久保 ゆかり  東洋大学, 社会学部, 助教授 (10195498)

キーワード感情経験 / 感情の先行事象 / 否定的な感情 / 感情生活 / 自己 / 幼児 / 面接
研究概要

子どもに自己の感情経験について語ってもらうことを通して、子ども自身の感情生活に肉薄することを目指した。具体的には、4歳児32名、5歳児30名、6歳児36名を対象として、1対1の面接をし、自己の感情経験についての質問及び架空の人物の感情を惹起する出来事についての質問をした。取り上げた感情は、うれしい・悲しい・怒った・やな気持ちという4種類である。各被験者の回答は、感情の先行事象としてもっともらしいものを答えた場合を、正答とし、そうではない場合を無答として、コード化した。その結果。どの年齢でも、自己についてよりも架空の人物についての方がその感情の先行事象を語りやすいタイプの人が最も多かった(4歳児13/32名;5歳児17/30名;6歳児23/36名)。それとは逆の、自己についての方が架空の人物についてよりもその感情の先行事象を語りやすいタイプの人は、極めて少なかった。特に、悲しい・怒った・やな気持ちといった否定的な感情については、架空の人物がそういう気持ちになる事象は想定できるのに、自分自身についてはそういう気持ちになったことがないと言ったり、わからないと言ったりすることが増えた。そこから、幼児は、否定的な感情について知識は持っているのに、自分自身の否定的な感情経験については語らないことがうかがえる。これは、そもそも幼児は自分には否定的な感情経験自体がほとんどないと捉えていることの反映なのか、あるいは、自分の否定的な感情経験について認識はしていてもあえてそれを語ろうとしないということなのか、2つの可能性が考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 久保ゆかり: "自己の感情生活について幼児はいかに語るか:肯定的側面と否定的側面との比較" 日本発達心理学会第9回大会発表論文集. 32 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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